EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2007.11.30
REACH規則では、年間1t以上の物質、調剤中の物質あるいは第7条(1)、(5)に該当する成形品中の物質(以降「登録対象物質」と略称)は、その製造者、輸入者あるいは唯一の代理人が登録一式文書を添えて登録する義務があります。
登録一式文書は、最新の状態に保持される必要があり、提出した登録一式文書を更新し、再提出することは登録者の責任となります。
登録者が登録を更新し再提出する必要があるのは基本的には以下の2つのケースです。
REACH規則第22条(登録者の追加の義務)の規定に従い、関連する新しい情報に以下のような変更が生じた更新する場合です
上記のa〜iにかかわる新規情報については、登録一式文書の更新版の書式で遅延することなく化学品庁に提出しなければなりません。
REACH規則のタイトルVI(評価)に基づく手続きにおける化学品庁またはEU委員会の決定の結果として、登録を更新しなければならない場合です。
また、第60条(認可の付与)および第73条(制限に関するEU委員会の決定)に従って出された決定を定められた期限内に考慮に入れて対応する必要があります。
評価手続きには、物質評価と一式文書評価の2つがあります。一式文書評価は、さらに、試験提案の審査と登録一式文書のコンプライアンス(法令等順守)チェックに分かれます。
化学品庁による試験提案審査の結果、1つまたは複数の試験の実施の決定が下された場合は、登録者は登録一式文書の変更を行う必要があります。
コンプライアンスチェックの結果として、化学品庁またはEU委員会が登録者に対し、当該登録が関連する情報要求を順守するための必要情報のすべてを与えられた期限内に提出することを要求する場合には、登録者は要求された追加情報について化学物質安全性報告書を含めて、登録一式文書を更新しなければなりません。
物質評価は、人の健康または環境に対するリスクの疑いがある場合に、所轄官庁が疑いを明らかにするために追加情報が必要と判断した場合、その要求の理由を記述した決定のドラフトが所轄官庁によって準備されます。
化学品庁またはEU委員会によって決定が出された際、登録者は設定された期日までに、登録一式文書を経由して、要求された情報を化学品庁に提出しなければなりません。
物質がEU委員会の決定により、認可された場合認可の状況は登録一式文書に反映されていなければなりません。この状況が反映されていない場合には、登録一式文書を更新する必要があります。
制限を受ける物質に関して、制限から免除された関連する用途、または制限に含まれる関連する条件が登録文書に反映されなければなりません。
指令67/548/EECに従い、届出された物質でREACH規則で登録ずみと見なされた物質に関して、数量が第12条に定義された上位のトン数帯に達した場合、登録一式文書の更新が必要になります。この場合には、新しく達したトン数帯に対応した追加情報の提出だけでなく、まだ提出されていない下位のトン数帯に対応する情報も合わせて登録が必要になります。
(担当:瀧山 森雄)