EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2008.08.01
REACH規則の附属書IV、Vへの掲載物質は、タイトルII;登録、タイトルV;川下ユーザー、タイトルVI;評価は適用されないことになっていますが、附属書IV、Vについては、2008年6月1日までに見直しを行い、必要があれば、修正が行われることになっていました。見直しによる修正提案が、欧州議会と理事会に提出され、7月24日にECHAのWebサイトに公表されました。2008年9月あるいは10月に採決される見通しとのことです。
修正の主な内容は次のようになっています。
(1)附属書IVからの削除;ビタミンA、炭素、グラファイト
ビタミンAは生殖毒性のリスクの恐れがある。
炭素、グラファイトは、ナノスケールでの形態で特定されて、EINECS#やCAS#が付けられており、附属書IVに入れる基準に適合しない。
(注;ちなみに、炭素・グラファイトについては、EC#231-153-3 carbon、EC#264-846-4 Charcoal, activated、および、EC#231-955-3 グラファイト があります。)
(2)附属書IVへの追加物質
ヘリウム、ネオン、キセノン(この3ガスは付属書Vからの移動)、およびクリプトン(貴ガス類をまとめて追加)。フラクトース、ガラクトース、ラクトース。
(3)附属書IVからの削除物質(附属書Vへ統合)
石灰石(附属書Vの鉱物としてリスト)。
天然由来のオイル類、油脂類、ワックス類、脂肪酸類、および、これらの塩類(附属書Vに一般名として統合(ただし、指令67/548/EECの定義の、可燃性、皮膚、眼への刺激性でないこと)。
(4)附属書Vへの追加物質
水酸化マグネシウム、ガラスおよびセラミックフリット(ただし、指令67/548/EECの危険物でなく、かつ危険物成分を規定含率以上含まないこと) 。
堆肥およびバイオガス。
この提案は上記しましたように、今秋に採決されることになっており、最終決定ではありません。今後の修正、すなわち、リスト物質の削除がないとは言えません。また、附属書Vには、多くの天然由来の化学的に修飾されていない物質郡が一般名としてリスとされています。ECHAは、登録免除になるかはっきりしない場合は、自社の物質が上市前に登録しなければならないことを避けるために、予備登録料は無料なので、予備登録することを勧めています。
詳細は下記のURLをご参照下さい。
http://echa.europa.eu/reach/legislation_en.asp
http://echa.europa.eu/doc/reach/regulation_annexes_iv_v_en.pdf
(林 譲)