ここが知りたいREACH規則

2012年12月19日に、新たに54の物質がSVHCとして特定され、現在はcandidate listには138物質が収載されています。
　REACHが制定された当初、SVHCは1,500にもなると言われていました。将来的には、今の10倍にも及ぶ物質が追加されることになります。今後のどの様に追加されていくか気になるところです。

今後の追加計画については、欧州委員会から理事会に、2013年2月6日付けで「Roadmap on Substances of Very High Concern」と題する報告書が提出されています^1）。この報告では、欧州委員会は、「幾つの物質が、あるいは、どの物質がSVHCであると事前に判断することは困難なことから、Roadmapにはcandidate listに含まれる物質の数値目標を特定すべきではないと考えている。むしろ、Roadmapには、2020年の目標を確実にするために、これから2020年までに、潜在的な異なるグループ（CMR、PBT、vPvB、内部かく乱物質、呼吸器感作性、皮膚感作性等）のSVHCの評価の方法論を定義し、信頼性のあるプロセスを提示することに焦点を当てるべきである。Roadmapには、評価すべき物質数を含めることが出来る。」としています。
　欧州委員会は、2013年～2020年の間に、最悪でも440物質を評価しなければならないと予測しています。年平均では、55物質になります。2009年中旬から2012年末までに160物質が評価され、138物質がcandidate listに収載されていますが、中間目標としては、2014年末までに凡そ80物質は評価の対象とするようです。上記の55物質の目標に比べ、低い目標になっていますが、2013年においては、予算・人員の不足が理由としています。
　この報告からは、2020年迄に幾つの物質をcandidate listに追加されるかを明確にしていませんが、1,500には、何時なるのか分かりません。もしかすると、最終的には、もっと少ない物質しかcandidate list収載されないかも知れません。

一方、2013年2月4日に下表の10物質をSVHCとする提案のための附属書XVが提出されています^2）。

＃4、8は、パーフロロオクタン酸、および、そのアンモニウム塩です。一連のパーフロロ化合物の追加です。#10は、昨年12月19日に追加された、4-ノニルフェーノールのエトキシレートです。これは、既にcandidate listに収載されている、4-t-オクチルフェノールとそのエトキシレートの組み合わせと同じです。

1）http://register.consilium.europa.eu/pdf/en/13/st05/st05867.en13.pdf
2）http://echa.europa.eu/web/guest/registry-of-submitted-svhc-intentions

（林　譲）