EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2015.04.03
中国の「危険化学品目録(2015版)」が、2015年2月27日に国家安全生産監督管理総局において以下の部門と合同で制定され、2015年3月9日に公布されました1)。
本目録は2015年5月1日から発効され、これまでの「危险化学品名录(2002版)」「剧毒化学品目录(2002年版)」は廃止されることになります。
本目録の草案は2013年9月に発表され、意見募集が行われていました。約1.5年にかけて審議され、制定されたことになります。
危険化学品名録(2002版)、草案(2013年)、危険化学品目録(2015版)の収載件数は、それぞれ以下のようになっています。
バージョン | 収載件数 |
---|---|
危険化学品名録(2002版) | 3,834 |
草案(2013年) | 2,936 |
危険化学品目録(2015版) | 2,828 |
「危険化学品名録(2002版)」には、混合物等がリストされていましたが、それらが削減されたことにより対象が少なくなっているかは詳細には確認できていませんが、約1,000件削減されていることになります。
意見募集が行われた草案(2013年)からは約100件少なくなっています。選定基準は草案(2013年)と同じで、以下の基準が示されています。これらの多くは、GHSの分類基準の危険有害性の高い区分を採用していますが、すべての区分は取り入れてはいません。
なお、中国の分類の国家基準は、パープルブック4版を採用して2013年10月に改定され、2014年11月1日から発効されています。
<危険化学品目録選定の分類基準>
1.物理化学的危険有害性
2.健康有害性
3.環境有害性
危険化学品目録には、化学物質名の他に別名、CAS番号、および備考には一部の物質について「毒性」であるかが示されています。今後、この目録のガイダンスが発行される予定です。
冒頭で説明しましたが、危険化学品目録は危険化学品安全管理条例の第4条に基づいて、国務院安全生産監督管理部門が工業・情報化部、公安部、環境保護部、衛生部、品質監督検験検疫総局、交通運輸部、鉄道部、民用航空局、農業部と共同で化学品危険特性鑑別分類基準に基づき制定されています。
従い、この目録に収載されている化学品についてはこれら10部門が所管する法規制を順守する必要があります。
他方、同目録に収載されている物質を含むが危険性が不明確な混合物や同目録に収載されていない物質を含む危険性が不明確な混合物等については、「化学品物理危险性鉴定与分类管理办法」に従い危険性の分類を行う必要があります2)。
参考資料
1)
http://www.chinasafety.gov.cn/newpage/Contents/Channel_21111/2015/0309/247028/
content_247028.htm
2)
http://www.chinasafety.gov.cn/newpage/Contents/Channel_21099/2013/0724/240529/
content_240529.htm
(林 譲)