EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2016.07.15
2016年6月22日に、オバマ大統領が署名し、TSCAを改正する「The Frank R.Lautenberg Chemical Safety for the 21st Century Act(以下、改正TSCA)」が成立しました1)。
TSCAの改正の経緯は、次の通りです。
2007年に、米国GAO(会計検査院)から、REACHとTSCAの比較する報告が出され、TSCAの問題点が指摘されました2)。その後、TSCAを主管しますEPAから、TSCA改革の原則が発表されていました3)。これを受け、Frank R.Lautenberg上院議員が数度にわたって改正案を提出していましたが、2013年に亡くなりました。その後上院議員の遺志を継ぎ、超党派で上院、下院にそれぞれで改正案が出されていました。下院では、2015年6月にH.R.2576「TSCA近代化法(TSCA Modernization Act of 2015)」案が可決され、上院に送られていました。他方、上院では2015年3月に提出されていたS.697「The Frank R.Lautenberg 21世紀化学安全法(The Frank R.Lautenberg Chemical Safety for the 21st Century Act)」案を、2015年12月に可決しました。この後、両院でこれらの二つの法案を調整し、"H.R.2576(The Frank R.Lautenberg Chemical Safety for the 21st Century Act)"としてまとめられ、5月24日に下院を通過、6月7日に上院を通過し、大統領の署名待ちの状態となっていたものです。
H.R.2576は、下記の構成になっています。
TITLE I -CHMICAL SAFETY
TITLE II-RURAL HEALTHCARE CONNECTIVITY
"TITLE I -CHMICAL SAFETY"がTSCAに該当するもので、"TITLE II-RURAL HEALTHCARE CONNECTIVITY"は健康の電話相談に関するものです。
また、TSCAでは31Sec.ですが、改正TSCAの"TITLE I -CHMICAL SAFETY"の構成は、いくつかのSec.が削除され、Sec.名も変更されたものがあり、21Sec.になっています。
改正TSCAでは、下記の点が気懸りな点です4)。
施行規則が改正・公布されましたら、改めてご紹介したいと考えています。
(林 譲)