EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問の内容をREACH規則に照らして整理すると、以下のようになります。
貴社は銅線(調剤)とPVC(ポリマー)を購入して、被覆銅線を製造されています。そして、その被覆銅線をEUに輸出されていると解釈します。この場合、貴社被覆銅線が調か成形品のいずれに分類されるかで、登録義務の有無が変わってきます。
物体が加工される過程で、どの段階までのものを調剤とするかについては、2008年5月に公表された「成形品のガイダンス」(注1)では、ケースバイケースで考察しなければならないとしています。
一般的な原則として、次の2ステップで判断するとしています。
もし、その機能が、化学組成よりも形態/表面/デザインその機能に関係すると結論できるのであれば、その物体は成形品であると結論できる。
これに従って考察してみますと、被覆銅線は、銅線を絶縁体であるPVCで被覆していることで、目的とする配線材料として使用できますので、成形品と判断できると考えます。
成形品 (被覆銅線) については、成形品中の物質が以下の条件すべてを満たす場合、その物質が登録対象となります。
ご質問の貴社の被覆銅線の通常の使用または当然予見できる使用条件では、意図的に放出される物質は考えられませんので、被覆銅線は登録対象とはならないものと判断します。
ご質問には触れてありませんが、成形品に含まれる物質について、REACH規則では以下の場合には、届出義務があります。
ご質問は、登録の必要があるかどうかということでしたが、高懸念物質を0.1wt%以上含有する場合の届出義務についても併せてご説明しました。貴社のサプライヤーからSDSその他情報の提供を受け、購入品(銅線、PVC)の含有物質の成分や含有比率等を調査されて、EUの輸入者もしくは唯一の代理人への情報提供に備えておかれることをお勧めします。
注1:Guidance on requirements for substances in articles
http://reach.jrc.it/docs/guidance_document/articles_en.htm