EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
貴社製造のプレス部品、プラスチック成形部品およびユニット製品の納入先のセットメーカー製品がEUに輸出しているとして回答いたします。
REACH規則では貴社が製造しているユニット製品は成形品に該当します。
貴社は自らがEUへ輸出していませんので、貴社の義務としては、川下ユーザーへの情報提供のみでよろしいと考えます。
ご質問に対しては以下のように考えます。
1.めっき加工、塗装加工の場合、重量の分母の考え方
現在、REACH規則では、重量比という場合は、成形品(製品)重量が分母とされます。
貴社製品のプレス部品、プラスチック部品それぞれの重量が分母となります。また、納入先のセットメーカーの最終輸出製品の重量も分母となります。
このことは、一般的に、部品段階よりも最終製品段階の方が、たとえば、もし、高懸念物質の含有量か一定である場合、含有濃度は部品段階に比べて最終製品の方が低くなってしまうということになります。
2.川上業者に情報提供の義務があるかどうか
貴社は川中企業として、川下企業である大手セットメーカーからの情報提供要求を受けることと思います(材料への含有物質、めっき、塗装への含有化学物質など)。
それらの要求に的確に対応するには、貴社も上流の取引先から情報を提供してもらうことが必要になります。上流に対する情報提供要求は、REACH規則における義務ではなく、通常の取引契約での行為と考えられます。材料供給、部品加工、めっき加工、塗装加工などの委託先に対し工程管理、品質管理などの提供情報などについて契約を締結し、それに従がって提供してもらうことになると思います。
3.めっき加工、塗装加工は、成形品、物質、調剤のいずれにあたるのか
めっき、塗装(塗料)は、加工完了後、それらが施された材料(金属、プラスチックなど)と一体となって、REACH規則の成形品の定義にある「生産時に与えられる特定な形状、表面またはデザインがその化学組成よりも大きく機能を決定する物体」(REACH規則第2条3項)に該当しますので、成形品と考えられます。