EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
労働安全衛生法に基づく化学物質のラベル表示は、厚生労働省より平成18年10月20日に発表された「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行等(化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善関係)に係る留意事項について」という通達に従って行う必要がありますので、これに基づきご質問に回答します。
貴社の混合物がGHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)によって分類される場合には、「当該混合物そのもの」に関する表示をすればよいことになります。
一方、GHSで分類されない場合には、成分ごとに表示する必要があります。当該指針でラベルに記載することが義務づけられている事項の詳細を以下に説明しますのでご参考ください。
(1)名称
化学物質等の名称または製品の名称
(2)成分
貴社の混合物がGHSによって分類されている場合は、各成分のうち表示対象物質に該当する物質名の記載が義務づけられています(成分ごとの含有量の記載は不要)。また、表示対象物質以外の成分についてもできる限り物質名を記載することが求められています。
なお、混合物がGHSによって分類されていない場合は、表示対象物質に該当する物質名の記載が義務づけられており、表示対象物質以外の成分についてもできる限り物質名を記載することが求められています。
(3)注意喚起語
貴社の混合物がGHSによって分類されている場合は、当該混合物そのものの注意喚起語を表示します。もし、GHSに従い分類した結果、危険有害性クラスおよび危険有害性区分が決定されない場合は、注意喚起語の記載は必要ありません。
しかし、貴社の混合物そのものがGHSによる危険有害性の分類がされていない場合には、含有する表示対象物質について、物質ごとに注意喚起語を記載することになります。
(4)人体に及ぼす作用・安定性および反応性
GHSによる混合物の分類にしたがって記載します。
(3)と同様にGHSによって貴社の混合物が分類されない場合には、含有する表示対象物質について物質ごとに記載することになります。
(5)標章
GHSによる混合物の分類にしたがって記載します。
(3)と同様にGHSによって貴社の混合物が分類されない場合には、含有する表示対象物質の標章(GHSで定められた危険有害性を喚起する絵文字)を表示します。
(6)貯蔵または取扱上の注意
(7)表示する者の氏名、住所、電話番号
労働安全衛生法の実際の運用規則を定めた「労働安全衛生規則」第32条では、「当該容器又は包装に表示事項等のすべてを印刷し、又は表示事項等のすべてを印刷した票せんをはりつけることが困難なときは、表示事項等のうち同項第一号 ハからホまで及び同項第二号 に掲げるものについては、これらを印刷した票せんを容器又は包装に結びつけることにより表示することができる」とうたっています。
これをご質問のケースに当てはめますと、ラベルを貼る面積が小さく、すべての表示が製品本体(容器と解釈)に印刷不可能の場合には、前項で説明した(1)名称、(2)成分は必ず容器に印刷する必要があります。しかし、それ以外の項目については製品本体を梱包する包装に印刷すればよいと解釈できると思われます。
なお、上述の平成18年に出されました「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行等(化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善関係)に係る留意事項について」については、平成22年12月16日に改正されています。理由は、「GHSに基づく化学物質等の表示」に関するJISZ7251が平成22年10月20日改正されたことによります。
【参考資料】
●改正労働安全衛生法(GHS関係)情報〔厚生労働省ウエブサイト〕
●化学物質等の表示・文書交付制度のあらまし(パンフレット)〔厚生労働省〕