EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
REACH規則のAnnex XIV(認可)に収載されている物質、または、この物質を含有する混合物等の製品をEU域内で上市または使用する場合には欧州化学品庁(ECHA)に対し使用の用途ごとに認可申請を行い、使用許可(認可)を得る必要があります。
ご質問の認可対象物質を不純物で含む混合物に認可については、ECHAの「Questions and Answers on application for authorisation」の1.3で、下記のように説明されています。
認可の要求は、附属書XIVに収載された物質そのものの上市と使用に適用される。
それ故、附属書XIVに収載された物質が他の物質の不純物、添加物、あるいは、成分要素であれば、附属書XIVのエントリーに特定(例えば、物質W、および、物質X,Y,Zに物質Wが×%以上含有する)、あるいは、他の物質として附属書XIVに収載されていない限り、適用されない。
附属書XIVに収載された物質が混合物中に組成成分として含まれている場は、その使用に認可要求が適用される。さらに、この様な混合物の上市と使用は、附属書XIV収載物質がREACH規則第56条6項で規定される濃度限界以下でない限り、認可が要求される。
これに該当する具体例としては、下記を挙げることができます。
第7回目のCandidate Listsに収載された13種の物質の内、下記4つの染料に関しては、同時にCandidate Listsに収載されたミヒラーケトン(CAS No90-94-8)又はミヒラー塩基(CAS No101-61-1)を0.1%以上の濃度で含有されている場合、Candidate Lists物質になっています。
ベーシックバイオレット(CAS No548-62-9)
ベーシックブルー26 (CAS No2580-56-5)
ソルベントブルー 4 (CAS No6786-83-0)
4,4'-ビス(ジメチルアミノ) -4”-(メチルアミノ)トリチルアルコール(CAS No561-41-1)
上記4つの染料がミヒラーケトン又はミヒラー塩基を0.1%以上含有した場合には4つの染料自体が認可対象物質として附属書XIVに収載されますと、認可申請が必要になります。
以上説明しました通り、ご質問の製品に非意図的に認可対象物質が不純物として含まれている場合は、認可申請は不要となります。
ただし、製品中に不純物として0.1%以上認可対象物質が含まれている場合は、REACH規則第31条の安全性データシート(SDS)、あるいは、SDSが必要でない場合にも、第32条の含有する認可対象物質とリスク管理対策の特定と等の情報伝達が必要です。