EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問のとおり、認可対象物質を収載したREACH規則附属書XIVの改正が6月14日にEU官報で公表されました。今回の改正によって新たに12物質が追加され、合計43物質となりました。
認可対象物質に収載されると、原則として物質ごとに設定された日没日の18か月前までに認可申請を行わなければ、日没日以降は該当物質および該当物質を含む混合物をEU域内で上市、使用することができないことが、REACH規則第56条1項によって定められています。
ただし、第56条3項および5項において、次のような用途での使用には、1項を適用しない旨が定められています。
さらに、第56条6項では、混合物中の成分濃度によって、次のような場合に1項を適用しない旨が定められています。
このカットオフ値は、CLP規則附属書Iの1.1.2.2に従って決定することになりますが、物質によって次のいずれかの値になります。
このうち、2)、3)は有害性分類に応じて設定されており、最小で0.1%が設定されていますが、この場合0.1%未満であれば、カットオフ値未満であると言えます。ただし、1)のCLP規則附属書VIパート3に収載された一部の物質では、発がん性や変異原性、皮膚感作性などの特定濃度限界値が0.01%や0.001%が設定されていますので、0.1%未満であってもカットオフ値未満にはなりません。
従い、貴社が輸出する混合物中の認可対象物質の濃度が、0.1%未満であっても認可申請の対象になる可能性もあるため、認可対象物質のカットオフ値としてCLP規則附属書VIパート3などを確認することが必要であると考えます。
(参考)
1)ECHA CLP規則附属書VIの調和化した分類・表示
https://echa.europa.eu/information-on-chemicals/annex-vi-to-clp