EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2006.10.01
日米欧中で製品含有化学物質規制が時を同じくして強化されてきています。
規制緩和が世の中の潮流ですが、環境に関することは政府が率先するのが世界全体の傾向です。化学物質や環境問題は目に見えなく、また影響も間接的であり時間が経過してから顕在化することなどが規制強化の背景にあると思います。
海外の法規制はその国の価値観や文化を踏まえて制定されていますので、その国を理解してから条文解釈することが必要ですから、なかなか理解できません。例えば、EUでは「予防原則、疑わしきは使用せず」が基本にあります。日本は「顕在化された事項の規制」が基本ですが、最近は「未然防止」という米国の「予防的取り組み」に近い概念を使うことが増えています。世界の環境政策の基本となっているリオ宣言の第15原則では「重大あるいは取り返しのつかない損害の恐れがあるところでは、十分な科学的確実性がないことを、環境悪化を防ぐ費用対効果の高い対策を引き延ばす理由にしてはならない。」としています。この一つに原則でも国より人により解釈が違いますので、企業は対応に戸惑います。
日米欧中の法規制解釈は条文の行間をいかに解釈するかということになります。EUのRoHS指令は施行後も除外の追加をする、米国も州法レベルではEUに近い規制を開始してきている、あるいは中国もRoHS管理弁法のFAQを公開するなど、製品含有化学物質規制は大きく動いています。企業として、最新動向を的確につかみ、先んじて対応をすることが、サプライチェーン内に生き残るために必須条件になってきています。
このページのQ&Aは(社)中小企業診断協会東京支部の化学物資管理関係のエキスパートの中小企業診断士が担当しております。このページが中小企業の皆様に少しでもお役に立つことを念願しております。
(担当 松浦 徹也)