EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2006.12.15
EUでは現在、化学物質の登録、評価、許可制度であるREACH REGURATION(規則) の審議が行われています。現状の審議状況から判断すると、2007年初春の公布、2008年施行が予想されています。
REACH規則は、1992年にリオデジャネイロで開催された「地球サミット」において採択された「リオ宣言」、「アジェンダ21」の有害化学物質に対する基本的なコンセプトである予防原則に基づいています。2020年までに化学物質の影響を最小にすること(1世代目標)を目指しています。
わが国においても有害化学物質の審査、製造規制等に関する同様な法律「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律」(以下「化審法」)が施行されており、OECDの勧告を受けて従来の人の健康被害を防止に加え、動植物の生育、生息への影響をも防止するように対象を広げて、2003年に改正され、2004年から改正化審法が施行されています。
以下にわが国の改正化審法と審議中のREACH REGURATION (案)との主な項目についての比較・相違点を記載します。
改正化審法の場合は、1物質当たり、わが国で1t以上製造、輸入される場合に事業者に届出の義務を課しているが、REACH規制では、事業者当たり製造、輸入数量が1t以上の場合に登録が義務付けられています。
一見したところでは、化審法の方が取扱い数量に対する条件は厳しいように見受けられます。
改正化審法では、事前審査時にはリスク評価は実施しません。ただし、第2種特定化学物質と監視化学物質については、国がリスク評価を行います。
REACH規制では、事業者が登録時にリスク評価書を提出し、加盟国が事後に提出内容を評価します。
改正化審法では、製品中の化学物質については、審査は行いません。ただし、第1種特定化学物質を含有する指定製品は輸入禁止となっています。
REACH規制では、成形品のうち一定の有害性を有する化学物質を1t超含有し、使用時に意図的な放出が想定される成形品に関しては、登録を義務付けています。
また、規制については、個別化学物質と同様です。
なお、化審法で指定されている第1種、第2種特定化学物質や第1種〜第3種監視化学物質の名称その他については、以下のURLに記載されています。
(担当 瀧山 森雄)