REACH規則が2007年6月1日に発効して直ちに施行される安全性データシートに関わる規定について紹介します。
1.安全性データシート(SDS)の要求事項
現行のSDSに関する、指令91/155/EECは廃止、指令1999/45/ECの14条は削除され、REACH規則に統合され引き継がれます。
i. 物質あるいは調剤の供給者は、その受取人にAnnex IIによるSDSを提供しなければなりません
- 指令67/548/EEC,あるいは,指令1999/45/ECの基準による危険物質および調剤
- Annex XIIの基準による難分解性、生物蓄積性及び毒性物質、あるいは、きわめて難分解で生物蓄積性が高い物質
- a、b以外の、第59条(1)の手続きで、内分泌撹乱性をもつ物質、難分解性、生物蓄積性、毒性、きわめて難分解で高生物蓄積性であり、不可逆的影響を及ぼすことが特定された、Annex XIVにリストされる物質
ii. 指令1999/45/ECの5、6、および7条の基準による危険な調剤に分類されなくても、以下の場合は、その受取人の要求に従い、SDSを提供しなければなりません
- 少なくとも1物質が人の健康あるいは環境に有害である物質を、気体状態でない調剤では1wt%以上、ガス状調剤では0.2vol%以上含有
- 気体状態でない調剤が、少なくとも1物質がAnnex XIIIの基準による難分解性、生物蓄積性および毒性物質、あるいは、きわめて難分解で生物蓄積性が高い物質、あるいは、第59条(1)の手続きで、Annex XIVにリストされる物質を、0.1wt%以上含有
- 職場曝露限界値のある物質を含有
iii. これまでと同じく、SDSには次の16項目を記載します。
- 化学物質等および会社情報
- 危険有害性の要約
- 組成、成分情報
- 応急措置
- 火災時の措置
- 漏出時の措置
- 取扱いおよび保管上の注意
- 曝露防止および保護措置
- 物理的および化学的性質
- 安定性および反応性
- 有害性情報
- 環境影響情報
- 廃棄上の注意
- 輸送上の注意
- 適用法令
- そのほかの情報
iv. SDSは、加盟国の公用語の一つで記載し、無料で書類か電子データで提供します。
v. リスク管理法を変更する必要があるような新しい情報、新しい有害情報を入手した場合、認可あるいは拒絶された場合、制限された場合は、過去12ヵ月以内に提供した受取人には、改定であることを明確にして、新しい情報を提供しなければなりません。
vi. 化学物質安全性報告書が要求されるサプライチェーンの行為者はSDSの附属書に、関連する曝露シナリオ、その特定用途、曝露シナリオにより試験が省略された場合は、その使用に関する条件を記載する必要があります。
2.SDSの提供が必要でない物質あるいは調剤の場合には、2007年6月1日以降の最初の出荷日に、書類か電子データで、次の情報を受取人に提供しなければなりません。
- 入手できれば、登録番号
- 認可に関する情報
- 制限に関する情報
- そのほか、適切なリスク管理方法を行うのに必要な情報
(担当:林 譲)