EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2008.02.29
REACH規則は、2007年6月1日に施行されましたが、その複雑性や産業界がうまく適合していくための配慮、そして既存の化学物質規制からREACH規則への段階的な移行などが考慮され、適用は段階を踏んで行われています。
REACH規則は、15タイトル、141条で構成されています(前文、附属書を除く。)
15タイトル中の半分は2007年6月1日に適用となりましたが、残りのタイトルは2008年6月1日と2009年6月1日からの適用となります。
下表に、各タイトルの適用時期を整理します。
■REACH規則のタイトルごとの適用時期
タイトル名称 |
適用時期 |
|
---|---|---|
タイトルI タイトルIV タイトルIX タイトルX タイトルXIII タイトルXIV タイトルXV |
一般的事項 サプライチェーンにおける情報 手数料および料金 化学品庁 権限のある当局 執行 経過規定および最終規定 |
2007年6月1日 |
タイトルII タイトルIII タイトルV タイトルVI タイトルVII タイトルXI タイトルXII |
物質の登録 データ共有および不必要な試験の回避 川下使用者 評価 認可 分類と表示のインベントリ 情報 |
2008年6月1日 |
タイトルVIII | ある種の危険な物質、調剤および成形品の製造、上市および使用に関する制限 | 2009年6月1日 |
2008年から適用される、または2008年までに見直しや決定すべき条項
個別の条項や附属書の初めての適用時期や一定期間援用後の見直し時期などが、各条項や附属書の内容によりREACH規則の中で定められています。
以下に、2008年に初めて適用される、もしくは2008年までに決定や見直しを求められている条項や附属書を記載します。
第74条(1)「欧州委員会規定で手数料および料金を設定」(タイトル?の施行に関連)
第118条(3)「欧州委員会規則(EC No.1049/2001)をREACHに適用」
第138条(4)
「REACH附属書?(物質の評価および化学品安全性報告書の作成ための一般的な規定)、IV(第2条(7)aに従う登録の義務の免除)および?(第2条(7)bに従う登録の義務の免除)に関する欧州委員会での見直し」
第128条「REACH規則の下での物質の自由移動」
第136条「既存物質に関する移行措置」
指令93/105/EC (技術一式文書に対する情報要求)
指令2002/21/EC (危険物質指令に関する修正)
規則 (EEC) No.793/93 (既存化学物質のリスク評価とリスク管理)
規則 (EC) No.1488/94 (既存化学物質のリスク評価のための原則)
第135条「届出物質に関する移行規定」
(指令67/548/EEC第16条(1)および(2)関連する届出者への要求)
第28条「年間1t以上製造/輸入される段階的 (既存) 化学物質の予備登録期間」
第126条「欧州加盟国はREACH規則の不遵守に対する罰則を定め欧州委員会に報告の実施」
第138条(5)「REACH附属書?III (PBT、vPvB物質規定の規定基準の妥当性の再審査の実施)」
以上、上記の1〜5に2008年から適用が始まる条項や見直し条項などを紹介しましたが、2009年以降もREACHの同様な新規の適用条項や見直しなどが規定されていますので、動向を注視していくことが求められます。
(瀧山 森雄)