EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2008.08.29
REACH規則では、登録の技術一式文書の用途に関する情報として、「特定された用途」および「使用を勧めない用途」を提出することになっています。
登録の情報入力には、IUCLID5を使用することになっています。これらの用途情報に関しては、IUCLID5の入力画面の「Section tree」の「3.Manufacture, use and exposure」の3.5「特定された用途」と3.6「使用を勧めない用途」の項で入力することになっています。
現在リリースされているバージョン(IUCLID5.0)の3.5(3.6)が、化学品安全性評価(CSA)のために開発された「用途記述子システム(use descriptor system)」を用いて、修正 (IUCLID5.1)されるため、暫定的な報告のためのガイダンスが発表されています*1。
今回は、その概要を紹介します。
現在の3.5「特定された用途」の情報の記述方法は、次のような階層構造になっています(3.6「使用を勧めない用途」は3.5と同じ)。
Brief description(テキストで記述)
Application technique/Activity(テキストで記述)
Use category(ピックリストから選択)
Industry category(ピックリストから選択)
Type of article(ピックリストから選択)
Application technique/Activity以下の項目が、IUCLID5.1では、CSAのガイダンスで新しく導入された「用途記述子システム」が適用され、それぞれ次の項目に変更されます。
Application technique/Activity → Process Category(PROC)
Use category → Product Category(PC)
Industry category → Sector of Use(SU)
Type of article → Article Category(AC)
新しい用途記述子システムでは、各項目(カテゴリーなど)の細目リストが提示されています(CSAガイダンス、R12)*2。IUCLID5.0での暫定的な記述方法は、次のようになります。
発表されたガイダンスによりますと、記述子の細目リストで、R12の項目から削除さているもの、あるいは、追加された項目があります。
IUCLID5.1は、2009年の早い時期にリリースされると発表される予定です。新バージョンでは、「特定された用途」を"企業秘密"にできる、「フラッグ」が導入されることになっています。
CSAのガイダンスのパートD*3には、新しい4つの「記述子」を用いて、暴露シナリオの「タイトル」と「用途の概要の記述」の記載方法を、次のように示しています。
これにより、暴露シナリオと「特定された用途」がリンクできることになります。また、現行のIUCLID5.0 の3.5や3.6の階層的な「用途」の記述方法(the imbrications of the use descriptors)は変更されることになります。
*1;http://ecbwbiu5.jrc.it/index.php?fuseaction=home.news&type=public&id=165
*2;http://reach.jrc.it/docs/guidance_document/information_requirements_r12_en.pdf?vers=30_07_08
*3;http://reach.jrc.it/docs/guidance_document/information_requirements_part_d_en.pdf?vers=30_07_08
(林 譲)