EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2008.10.03
最近、欧州化学品庁(ECHA)から出された資料から、興味ある事柄からいくつかを紹介いたします。
ECHAは登録する物質だけを予備登録するように企業に要請を出しました。
従来は、予備登録費用は無料であるから、登録が必要かどうか分からない場合は、できるだけ予備登録することを勧めていました。
しかし、2008年9月15日までに、352,641の予備登録がされていましたが、発表によりますと、2社からEINECS掲載物質のすべてが予備登録されたということです。この2社の予備登録については、登録に先立ってデータ交換のために設けられた予備登録によるSIEFの目的に合致しないし、10万にもなるSIEFの活動も管理できない、として有効でないとしています。また、川下企業にとっては、使用している物質が予備登録されたリストにあるかないかを確認できないことになります。
したがって、登録しようとする物質だけを予備登録することように要請を出しています。これに伴って、今後は、複数物質をバルク予備登録できる物質数を1万に制限するとしています。
なお、ECHAは中間段階の予備登録リストを10月に発表するとしています。
ECHAのWebページに、化学物質のセクション「ECHA CHEM」が新設されました。このセクションで、REACHプロセスの情報やドキュメントが公開掲載されています。すなわち、「Registry of intentions」が公開されます。その内容は、加盟国の監督機関/欧州委員会からの、(1)SVHC、(2)分類と表示、および、(3)制限に関する提案の事前情報です。将来は、予備登録物質リスト、認可対象になるSVHCの候補リストや登録された物質の公開される情報などが、掲載されます。
また、コンサルテーションにかけられたSVHCの附属書XVレポートにアクセスすることが出来ます。
また、登録のためのガイダンスの改訂版(バージョン1.3)が公開されました。
改訂の内容は、唯一の代理人変更の手続き、および従来図示されていた直接、間接輸出の場合の唯一の代理人の要件が記述されています。
登録後の唯一の代理人変更は、元の唯一の代理人の同意があれば、登録一式文書の更新で済みますが、同意がない場合は、従来のガイダンスと同じく、新規に登録することが必要です(ただし、元の登録データなどの再利用はできます)。なお、予備登録後、登録前の唯一の代理人の変更については、従来と同様に記載がありません。
(林 譲)