EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2009.10.30
「Change」を掲げるオバマ政権のもとで、環境についても種々の政策の改革が検討されおり、TSCA(有害物質規制:Toxic SubstancesControl)についても見直しが進められています。2009年9月29日には、米国環境保護庁(EPA)長官、Ms.Lisa P. Jacksonが、TSCAの改定方針を発表しています注1)。
発表では、1976年に制定されたTSCAは環境保護のためには重要なステップであった。しかし、最近生まれてくる子供の血液中には287種類の化学物質が見い出されている。このような現状を考えると、化学物質に対するリスクから人の健康や環境を守るには、現在のTSCAで21世紀の化学工業を管理するのは適切でないとしています。改定に当って、次の6項目の原則注2)で、議会と協力して進めるとしています。
TSCAがどのように改定されるかの情報はまだありませんが、内容的にはREACH規則の条項と酷似しています。改定に当っては、EU、各国で異なる規制が出ると企業にとっては負担が大きくならないように配慮すべきとの意見も出ています。
改定スケジュールは、温暖化防止や健康保険に関する法令が先行されるようですが、環境保護団体等からは、今年中に改定されるよう要望されています。
注2
http://www.epa.gov/oppt/existingchemicals/pubs/principles.html
(林 譲)