EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2013.02.08
中国2010年10月に施行された「新規化学物質環境管理弁法」では、新規化学物質の登記が求められています。本法が適用される新規化学物質は「現有化学物質名録」に収載されていない物質ですが、2010年版の「現有化学物質名録」が公表されていました。しかし、2010年版に物質が追加されたとの情報はありましたが、その詳細はよくわかりませんでした。また、名録を購入すれば、リスト物質を確認するかWEBで検索がすることができました。
今回、2013年1月31日に中国環境保護部から収載物質が更新され、「現有化学物質名録(2013年版)」がPDFデータとして公表されました1)。
公表された物質数は下記の通りです。
物質数 | 公表内容 | |
---|---|---|
物質名が公開されているもの | 42,342 | 物質の中国名・英語名(あれば、それぞれの中国・英語別名)、分子式、CAS番号またはシリアル番号 |
物質名が秘密にされているもの | 3,270 | 一般名、シリアル番号 |
合 計 | 45,612 |
シリアル番号は、CAS番号がない物質に付されています。
物質名が秘密にされている公表された一般名からだけでは、その物質の化学式や構造はわかりません。類似の新規物質については、CRCに問い合わせ新規性を確認することには変わりはありません。
台湾の既存化学物質の増補届出が2012年8月に終わり、2012年12月22日に既存物質インベントリーの増補版が公表されました2)。
既存化学物質の届出は、約5,500社から79,000以上の物質について37万件の届出がありました。このうち約1%について企業秘密の申請がされています。インベントリーから物質名(中国名、英語名)、CAS番号あるいはシリアル番号から物質を確認できます(ただし、シリアル番号は一般には公表されていません)。
一方、化学物質の届出制度の構築のため、「労工安全衛生法」および「毒性化学物質管理法」の改定の検討が進められています。両法ともに行政院を通過し、立法院で審議が進められています。
両法の改定案はすでにWTOにTBT通告されています。
「労工安全衛生法」:2011年7月4日
「毒性化学物質管理法」:2012年12月21日
「毒性化学物質管理法」の通告文書によりますと、立法院での成立は2013年3月とし、施行は1年後の2014年3月の予定としています。
これらの法律が施行されますと、新規物質、指定物質の登録が必要になります。
1) http://www.mep.gov.cn/gkml/hbb/bgg/201301/t20130131_245810.htm
2) http://csnn.cla.gov.tw/content/Substance_home.aspx
(林 譲)