EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2014.11.14
韓国「化学物質の登録及び評価に関する法律」(以下、K-REACH)が2013年5月に公布され、施行日である2015年1月1日が迫ってきました。
施行に向けて2月には、下位規定となる施行令・施行規則案が立法予告され、当初は6月末までに立法化される予定でしたが、現時点では確定していない状況です。
今回は環境部により登録対象既存化学物質リスト案が公表されるなど、主に登録に関する最近の動きをご紹介します。
新規化学物質の登録は、2015年1月1日以降、K-REACHに基づいた情報要件を満たすことが必要となりますが、現状の有害化学物質管理法に基づく情報要件に比べて作業負荷や費用負担等が増加することが想定されるため、企業からの登録申請が通常よりも増加していました。
そのような状況から韓国国立環境研究所(NIER)は、10月7日に現状の有害化学物質管理法に基づく新規化学物質の登録申請期限を10月22日までとすることを発表しました1)。
すでに現行法に基づく登録期限は経過してしまいましたので、今後の新規化学物質の登録にあたってはK-REACHに基づいた対応が必要となります。
K-REACHでは、年間1トン以上製造または輸入されかつ当局が登録対象に指定した既存化学物質については新たに登録義務が課されます。
既存化学物質の登録に対する産業界の対応力を強化することを目的に、韓国化学物質管理協会(KCMA)は次の7種の既存化学物質について共同登録の試行プロジェクトを行っています。
試行プロジェクトでは、物質ごとにコンソーシアムの形成や技術支援を行う支援組織(コンサルタント)が任命されており、2015年4月を目途に登録書類が作成される見込みです。
物質名 | CAS番号 |
---|---|
メチルジイソシアナトベンゼン | 26471-62-5 |
ベンゾイルペルオキシド | 94-36-0 |
臭化水素 | 10035-10-6 |
トリクロロエチレン | 79-01-6 |
p-キシレン | 106-42-3 |
エピクロロヒドリン | 106-89-8 |
塩酸 | 7647-01-0 |
また、韓国環境部は企業の事前準備を支援する意図で「登録対象既存化学物質リスト案」を10月31日に公表しました2)。
同リスト案では、主に現状の有害化学物質管理法で有毒物や観察物質などに指定され、一定量以上が市通している物質やREACH規則の認可対象物質や制限対象物質、発がん性・変異原性・生殖毒性(CMR)や水生環境有害性に分類されている物質などから、上述の施行プロジェクトの7物質を含む518物質が収載されています。今後、引き続き検討が行われ、2015年に最終化される見込みです。
なお、既存化学物質の登録期限は登録対象既存化学物質の指定告示から3年以内となっており、また2018年、2021年と3年ごとに対象物質を拡大する予定となっています。
1)http://ncis.nier.go.kr/ncis/NAU0202.do?b_id=00002&b_seq=111&leftordridx=1&topordridx=6&menuid=NAU&leftsubordridx=
2)http://www.me.go.kr/home/web/board/read.do?
pagerOffset=0&maxPageItems=10&maxIndexPages=10&searchKey=&searchValue=
&menuId=286&orgCd=&boardMasterId=1&boardCategoryId=39&boardId=442880
(井上 晋一)