EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
REACH規則では、年間1t以上製造または輸入する場合に登録が義務付けされていますが、登録義務が免除されている物質が、付属書IV、Vに掲載されています。
付属書IVには、その固有の特性により、最小限のリスクしか生じないという十分な情報があるとの理由で、登録が免除されている物質が掲載されています。
附属書Vには、その物質の登録が不適切であるか不必要であり、登録義務を免除しても、REACH規則の目的を侵害しないとの理由で、登録が免除されている物資が掲載されています。この中に、化学的処理されていない、天然に産出する物質が上げられています。ただし、67/548/EECで危険物に分類されないことが条件です(付属書IVとVは 2008年6月1日までに欧州委員会によって見直されますのでご注意ください)。
したがって、ご質問の「松ヤニ」は採取した時点では天然物で、登録の必要はありません。粉にするなど松ヤニの形状を変えるだけであれば、登録の必要はないと考えられます。しかし、その「松ヤニ」を利用するために、化学処理(chemically modified)をしてロジンなどを分離すると、それらは「物質」とみなされ登録が必要になります。化学処理の定義は難しいのですが、天然物の場合は不純物除去、純度アップなどに留意する必要があります。
なお、「物質」の定義は、以下のようになっています。
野球で使用するロジンバッグのような成形品になると新たな義務もあります。ロジンバッグは炭酸マグネシウム、ロジンや石油系樹脂の混合物が詰められており、使用時に放出(意図的放出)されます。年間1t以上であれば成形品製造者も登録義務が生じます。ただ、その使用に対して登録されていれば、除外する規定があります。