EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
EUへ化学物質を輸出する場合は、その物質が登録されていなければ、販売することはできません。
REACH規則での物質の登録の要件は以下のようになっています。
1暦年あたり、物質または調剤中の物質を1t以上製造または輸入する、製造業者または輸入業者は、下記の情報を揃えて欧州化学品庁に登録します。
しかし、一般に機械加工に用いる油の製造に用いられる原料は単一成分でなく、また、製造工程では種々の反応が起こるために、多くの成分の混合物で、その組成や化学構造も明らかでないと承知しています。
すなわち、上記項目の2項の物質のアイデンティティが特定できないと考えられます。このような場合、「UVCB 物質;Substances of Unknown or Variable composition, Complex reaction products or Biological materials」として、その物質の特定と命名の方法について、「Guidance for identification and naming of substances under REACH」に解説があります。
それによりますと、製造の出発物質の源泉、名称およびプロセスで特定するとして、4種類のタイプに分類しています。その概要を下記の表にまとめました。
タイプ | 出発物質 | プロセス | 具体例 |
---|---|---|---|
UVCBタイプ1 | 生物由来 | 合成 | カルボオキシセルロース |
UVCBタイプ2 | 化学物質あるいは鉱物 | 合成 | フォルムアルデヒドとジエチレングリコール、フェノールの反応性生物、石油製品 |
UVCBタイプ3 | 生物由来 | 精製 | 膵液抽出物(脱たんぱく化) |
UVCBタイプ4 | 化学物質あるいは鉱物 | 精製 | 石油製品 |
(ただし、石油製品については、別途詳細な説明があります)
さらに、物質を特定するパラメーターとしては、一般的な化学組成、クロマトグラフなどのパターン、物理化学的な特性(例えば、沸点)、カラーインデックス番号などがあげられています。
また、機械加工油に、意図的に添加した物質(濃度が1%以上、ただしCMR、PBT、vPvBでは0.1%以上)が1暦年で1t以上になれば、その物質も登録する必要があります。