EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2006年12月に公布され、2007年6月1日に発効したREACH規則では、EU域内で化学物質を上市する場合には、その製造者または輸入者は一定の手続に従って当該物質を登録する必要があります。ご質問にあります既存化学物質(EINECSリスト物質)などについては、予備登録が可能です。予備登録は、「2008年6月1日から2008年12月1日までの6ヵ月の間」に行うことが定められています。
予備登録を行うことにより、その化学物質の物理化学的性状そのほか物質固有の危険性などの性状と年間製造または輸入量により、本登録までの期間が猶予されるなどの特典があります。
ところで、予備登録も含めて、登録ができるのは、EU域内の製造者または輸入者に限られています。そういうわけで、ご質問の既存化学物質を製造している日本の企業は日本国内から直接予備登録も本登録も行うことはできません。
この場合、予備登録を行う方法としては、以下の2つが可能です。
1. 当該化学物質がEINECS登録物質であるということは、すでにEUに輸入された実績があることを示しています。(ちなみに、EINECS登録化学物質は、1971年1月1日から1981年9月18日までの期間にEU域内に上市された約100,000種の化学物質のリストです。)
そこで、当該、輸入者が予備登録をすることが考えられます。
2. もし、何らかの理由で上記の輸入者が予備登録を行わない場合には、唯一の代理人(only representative)制度が活用できます。
この制度は、EU域外の企業がEU域内の法人または自然人と契約により予備登録、登録を委託する制度です。ご質問の既存化学物質を製造している日本企業がEU域内に「唯一の代理人」を立てて登録を行うことができる制度です。