EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
まず意図的放出がある場合の、量の計算について、登録ガイダンスの例を参考にして説明します。
Guidance on Registration;
http://reach.jrc.it/03_rdds_web_content/registration_en/registration_en.pdf
X社が、同じ物質をそれぞれ60t含有する下記3種の成形品を輸入しているとします。
このケースでは、成形品Aの60tは合計計算には入れず、成形品B、Cのそれぞれの60tの合計、120tの登録が必要になります。成形品B、Cから放出される40tと10tの合計50tではないことに注意が必要です。
この例のように、意図的放出のある成形品すべてに使われている物質の総計で計算しますので、修理交換部品から放出のある場合には、それらに含まれる物質すべてを計算に入れる必要があります。
段階的導入物質の年間トン数は、連続過去3年間の平均値をその暦年の年間トン数として計算します。2007年からのこの数値で、登録期限が決まります。
例えば、2004年50t、2005年60t、2006年70t、2007年80t、2008年120t、2009年130t、2010年70t、 2011年70t、2012年70tのような輸出量の推移を考えて見ます。このときの、各年の年間輸出量は下記のように計算されます。
直近の2012年は90t以下ですが、2010年は110tで100tを超えていますので、100t以上の登録期限、すなわち、2013年5月31日までに登録する必要があります。したがって、景気で暦年ごとの輸出量が変化しても、過去3年の実績で判断すればよいので、実績をしっかり把握しておくことが必要です。
EUに現地法人を設立されていて、それぞれが独立している場合は、法人ごとに登録する必要があります。一方、EUの現地法人のもとに、その事業所として活動しておられるのであれば、EUの現地法人の1社が登録すればよいことになっています。
他方、貴社がEUに輸出しておられ、「唯一の代理人」を指名して登録すれば、EUの輸出先は「唯一の代理人」の川下ユーザーとなり登録の必要がなくなります。