EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
REACHはヒトの健康と環境の保護を図ることが主目的となっています。よって、EU域内の各種電子機器、衣類、雑貨などすべての製品や、それらの製品に含まれているほとんどすべての化学物質の用途や取扱いなど、サプライチェーンの各場面でその規則が適用されます。 一方、RoHS指令の場合は電気機器や、電子機器の最終商品中に含まれている特定化学物質の含有禁止が要求されています。
REACH規則では、以下のような対応を要求しています。それぞれの詳細は当ウェブサイトの「REACH規則の基礎」をご参照ください。
(1)物質の登録
(2)成形品中の物質の届出
(3)川下ユーザー・消費者への情報提供
(4)認可
(5)制限
貴社が日本国内にて製造している電気部品は、REACH規則の成形品に該当すると思われますので、それぞれの情報伝達の義務をお知らせします。 認可対象候補物質(SVHC)を重量比0.1%を超える濃度で存在する場合には、次の2つの情報伝達義務が必要となります。
(1)川下ユーザーに対して
成形品を安全に使用するための十分な情報(少なくとも物質名)を貴社の顧客に提供しなければなりません。
(2)消費者に対して
消費者から要求があった場合には、その成形品を安全に使用するために十分な情報(少なくとも物質名)を、45日以内に提供しなければなりません。
REACHでは上記のような対応を求めていますが、貴社の顧客からは具体的にどのような要求があるかを理解することが大切です。顧客ごとの調達基準もある可能性がありますので、現実的にはそれに対応することが重要と思われます。
また、日本国内では、「成形品が含有する化学物質情報等を適切に管理しサプライチェーンの中で円滑に開示・伝達するための具体的な仕組みを作り普及させること」を目的として2006年9月にアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が発足しました。JAMPは会員制ですが、サプライチェーンにおける化学物質情報の伝達を円滑に実施することを目的に、各種調査ツールや、ガイドラインを提供しています。例えば、成形品に対する情報伝達ツールとしてAIS(アーティクル・インフォメーション・シート)を作成し、JAMPのウェブサイトで公開していますので、その活用もご検討ください。
また、貴社が関連すると思われる電機電子関連企業向けの、REACH対応の手続を説明している「REACHに関する」ガイダンス・ノート」(電機・電子4団体により作成、公開)もご参考にされるとよいと思います。