EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
判断が難しいケースです。SVHCが別の物質に変化することで製品が製造され、SVHCが本来は存在しないのであれば、届出や情報伝達を行う必要はありません。問題はご懸念の通り本来あり得ない状況で未反応のSVHCが残存した場合で、その分析が不可能であるならば届出や情報伝達を行う方が安全なことは当然です。懸念される状況が発生する危険性・コスト等を合わせて、貴社でリスクマネジメントとして各管理要素を具体的に検討、管理することをお勧めします。それをどこまで突き詰めるかは貴社の企業規模や製品の用途により異なってきます。基本的な考えは「デューデリジェンス=やるべきことをやる」ということになります。また、届出や情報伝達を行わないという判断をされた場合には、その検討の過程、判断に至ったデータ等の保管にも留意すべきだと考えます。
成形品中の化学物質の取扱いについての要点を整理しますと、届出と情報伝達の2つがあります。
上述のいずれにも該当する時、成形品の受領者に情報(少なくとも物質の名称を含む安全に使用するために必要な情報)を提供する義務と、消費者から要求があった場合に45日以内に情報提供を行う義務があります(第33条)。
さらに、上の1、2に加え、以下の「3」を満たす場合はECHAへの届出の義務が生じます(第7条)。
第1回目の認可候補物質 (SVHC) として、2008年6月に15物質が提案され、その中の7物質が認可対象物質としてREACH規則付属書XIVに収載されています。また、第2回目の認可候補物質 (SVHC) として15物質が取り上げられており、2009年10月15日にパブリックコメントが締め切られていますので今後の情報にも注意が必要です。