EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
REACH規則では、予備登録ができるのは、EU域内の製造者、輸入者またはEU域外の製造者が指名する唯一の代理人です。したがって、ご質問の実際の取引量の確認は、この予備登録を行った者になります。以下にその内容を説明します。
段階的導入物質であるポリマー中のモノマーは、予備登録を行うことによって登録猶予期限が年間の製造・輸入トン数帯に応じて設定され、年間1,000t以上では2010年11月30日、100t以上では2013年5月31日、1t以上では2018年5月31日までが猶予期間となります。しかし、猶予期間中に製造・輸入量が増加し、トン数帯に変更が生じた場合は、変更後のトン数帯の登録期限までに登録を行うことが必要となります。
この点、予備登録をEU域内の製造者、輸入者が行っていた場合は、その製造者、輸入者が自身のポリマーの取引量(製造・輸入量)とそれに含まれるモノマーの含有率をもとに算出されたモノマーの取引量を確認し、適正な猶予期限までに登録を行うことになります。
一方、予備登録を唯一の代理人が行っていた場合では、EU域外の製造業者が自身の取引量を確認する必要があります。つまり、予備登録後に製造・輸入量に変更があった場合は、これらの詳しい情報を持っている唯一の代理人を指名した製造業者が、製造・輸入量の変更情報を必要に応じて唯一の代理人に提供し、REACH規則に対応することになります。
つぎに、取引量の問合わせへの対応に関しては、REACH規則では特に定めがありませんが、REACH規則への適合確認に向けて、通関時に予備登録、登録等の確認を行っています。この確認は査察官が欧州の輸入先から提出されたInvoiceなど輸入通関手続に必要な書類を処理することで行われ、ご質問の問合わせは欧州の輸入先に宛ててなされることになります。
このとき、製造業者に対しては、欧州の輸入先から情報提供依頼を受けた輸出業者や唯一の代理人から取引量に関する最新情報等の提供を求められ、対応を行うことが考えられます。