EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
改訂された「新化学物質環境管理弁法」(以降、改訂弁法)は、2010年1月19日に環境保護部令第7号として公布され、2010年10月15日から施行されています。同時に「旧弁法」は廃止されました。
改訂弁法は、中国国内での新規化学物質の国内での研究、生産、輸入および加工使用に関与する活動の環境管理に適用され、新規化学物質を一般類新規化学物質と危険類新規化学物質に分類し、危険類新規化学物質の中で、難分解性、生物蓄積性、生態環境および人の健康に有害な特性の場合、重点環境管理危険類新規化学物質に分類しています。
新規化学物質とは「現有化学物質名録」に収載されていない化学物質のことで、当該化学物質を中国で生産、輸入する前に、新規化学物質環境管理登記証の取得または記録届出が必要です。中国国外の輸出者は中国国内で登記された代理人を通じて申告、届出の手続きを行い、輸出を行う必要があります。
また、申告には通常申告と簡易申告及び科学研究記録申告の3種類があります。
新規化学物質の年間の生産量または輸入量が1t以上の場合、環境保護部化学品登録センターに通常申告が必要です。申告には新規化学物質通常申告表やリスク評価報告書、物理化学的性質、毒性、生態毒性の試験報告書が要求されています。 毒性、生態毒性試験データについては新規化学物質申告登記ガイドラインにより、年間の申告数量の増加に伴い、試験項目が増加しています。
新規化学物質の年間の生産量または輸出量が1t未満の場合、通常申告より提出書類の少ない簡易申告を行うことができます。提出書類は新規化学物質簡易申告表および中国国内で中国の供試生物を用いた生態毒性学的特性の試験報告書となります。
また、簡易申告の特殊な状況として、新規化学物質モノマー含有量が2%未満のポリマーまたは低懸念ポリマーなどでは年間数量の1トン以上でも、あるいは、プロセスや製品開発を目的とする場合には、2年間に限って、年間10トンまで簡易申告が認められます。
科学研究を目的とし、新規化学物質の年間の生産量または輸入量が0.1t未満、もしくは新規化学物質の試験用サンプルの場合には、新規化学物質科学研究記録表を提出する必要があります。
お問い合わせの重複申告については、改訂弁法第15条に以下の規定があります。
「二人以上の申告者が同一の新規化学物質を前後して申告した時に、後の申告者が前の申告者の試験データを使用する場合、新規化学物質の重複申告を行うことができる。データの試験費用の分担方法は、申告者が協議の上で定める」とされています。
第23条では、環境保護部により、登記を認めた新規化学物質の名称、申告人、申告の種類および登記した新規化学物質類別等が政府のホームページ上に公告されます。該当する物質が公告されていれば重複申告ができる可能性はあります。
ただし、「通常申告表及び表記入」の説明文書には、「後の申告人が申告者の連絡先の情報を入手することに同意するか」の意思表示をするチェック欄があります。もし申告人がこれに同意しなければ、後の申告人に当該申告人と連絡できることになるのかは明確でありません。連絡先がわからなければ、後の申告人は重複申告が可能になるかはわかりません。
なお、弁法の規定では、「重複申告」は通常申告の中で規定されていますが、「新規化学物質簡易表」にも上記の「後の申告人に連絡先の情報を入手することに同意するか」の意思表示をするチェック欄があります。従い、簡易申告でも重複申告が出来る場合があると考えられます。