EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問にお答えする前に成形品に含まれる物質の登録についてREACH規則の規定を確認しておきます。REACHH規則の第7条には「成型品に含まれる物質で次の条件に当てはまる場合は、成形品の製造者、輸入者は登録の義務を負う」と定められています。
問題は放出を意図されているかどうかの判断ですが、「成形品に含まれる物質に関する要求事項についての技術ガイダンス文書(Version 2;2011年4月発行)に成形品からの物質の意図的放出について具体的な例を示して以下のように解説されています。
従い、2項からご質問の「廃棄した場合の土壌に広がる」は意図的放出でないことがわかります。この場合、登録義務とは関係ないことになります。
ただし、廃棄物には、廃棄物枠物指令1)の下に、種々の廃棄物の処理に関する指令が制定されています。代表的な廃棄物に関する規制には、包装廃棄物指令、ELV指令、電池指令、廃電気・電子機器(WEEE)指令などが制定されています。これらの規制は対象により要求事項も異なりますが、いずれも以下の原則に準拠しています。
貴社の成形品がどの指令の対象になるのかはわかりませんが、これらの原則にのっとり、また該当の指令の要求事項を遵守する必要があります。
例えば、「廃電気電子機器(WEEE)指令(2002/96/EC)」の6条では、生産者にすべての液体および付属書IIに記載の物質(フロン)と部品(PCBを含むコンデンサー、電池、アスベスト、CRT、プリント基板など)をWEEE から取り出して分離処理することを求めています。対象となる機器からの成形品の取り出し、分離が容易な設計にしておくことがのぞまれます。対応方法をEUの輸入者とよく相談しておくのが良いと思います。
1)http://ec.europa.eu/environment/waste/legislation/index.htm