EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
中国版REACHと言われる「新規化学物質環境管理弁法」(以下、弁法)が、2010年1月19日に公布され、2010年10月15日より施行されています。
大幅な改正が行われた理由として、いわゆる新規化学物質の管理の強化などがあげられますが、一番の理由はEUのREACH規則などの国際主要ルールに合わせるためです。なお、2003年9月12日に公布した旧・新規化学物質環境管理弁法は同時に廃止されました。
弁法では、「新規化学物質の生産者または輸入者は、生産前または輸入前に申告を行い、当該新規化学物質の新規化学物質環境管理登記証を受領しなければならない。登記証を取得していない新規化学物質は生産、輸入、加工使用を禁止する」とされています。
新規化学物質とは、環境保護部が定期的に更新する「中国現有化学物質リスト」に収載されていない化学物質を指しています。既存化学物質とされるリストに収載される対象には、元素、化合物、副産物、反応中間体、ポリマーが含まれますが、混合物、製剤は対象外です。
回答者が入手している情報によりますと、中国では現有化学物質リストに収載されている無水物の水和物は既存化学物質とみなされます。
EU REACH規則では、「ある物質がこの免除を利用する製造者または輸入者によって既に登録されている場合、その物質と水との会合によって形成される物質の水和物または水和イオンは登録の必要はない」とされています。
すなわち、水和物と無水物は名称もCAS番号も異なりますが、同じ物質として登録するとされています。
しかし、例えば塩化コバルトについては、EUでは水和物はリストされていませんが、中国では無水物、水和物共にリストされています。
化学物質 | 状態 | CAS# | ESIS*1 | IECSC*2 |
---|---|---|---|---|
塩化コバルト | 無水物 | 7646-79-9 | 231-589-4 | 有り |
六水和物 | 7791-13-1 | - | 有り |
*1:欧州化学物質情報システム *2:中国現有化学物質リスト
以上の通り、中国でもEUと同様に水和物はその無水物が既存化学物質であれば、既存化学物質とみなされると思われますが、該当する水和物については中国環境保護部登記中心(CRC-MEP)に確認されることをお勧めします。