EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
2012年6月18日のECHAのプレスリリース(ECHA/PR/12/16)でCandidate List収載の13物質が発表されました。ご指摘の通りこれまでは73物質でしたので、13物質が追加されますと86物質となりますが、プレスリリースでは84物質とされています。ご質問の2物質の誤差については以下に順をおって過去の経緯から遡って説明します。
まず2010年1月に下記物質がSVHCとしてCandidate Listに収載されました。
・アルミノシリケート耐火セラミック繊維(Al-RCF)
・ジルコニアアルミノシリケート耐火セラミック繊維(ZrAl-RCF)
その後、2010年7月1日付のECHA文書「Results of the prioritization of the SVHC on the Candidate List with the objective to recommend priority substances for inclusion in Annex XIV」の中で、2010年1月13日に収載された耐火セラミック繊維の化学組成はEU市場の一部にしか対応できておらず、残りの約50%は異なる化学組成を持つことが業界団体などから指摘を受けたことにより判明しました。
上記セラミック繊維のすべての化学組成は、CLP規則の付属書VIに収載されているインデックスNo650-017-00-8の耐火セラミック繊維で包含されていることから、規則の抜け穴を悪用されることを防ぐため、2011年12月19日付でNo650-017-00-8で規定される化学組成の耐火セラミック繊維がCandidate Listに収載されることになりました。
2011年12月19日付で収載された耐火セラミック繊維と、2010年1月13日付で収載された耐火セラミック繊維の組成範囲の比較については、2011年12月22日付けコラムおよび2012年7月13日付けコラムに詳細が記載されておりますのでご参照ください。
前述しましたように2011年12月19日付でCandidate Listに収載された耐火セラミック繊維に、2010年1月13日に収載された耐火セラミック繊維が統合されて、今回のタイミングで2010年1月13日に追加された2物質についてはCandidate Listから削除されました。 その結果、従前の73物質に13物質が追加され、86物質となるところ2物質が削除されたことでSVHC (認可候補物質)合計84物質ということになります。