EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
先ず、ご質問の1つの年間数量について整理しておきます。
ご質問の年間1t以上が不明の場合の対応については、段階的導入物質と新規物質とについて少し状況が異なります。 段階的導入物質である場合は、前3年間の暦年平均量が1t以上の場合は、登録が必要となります。一方、新規物質である場合は、暦年で1tである場合は、登録する必要があります。
登録の義務はEUの輸入者、すなわち貴社の輸出先にありますが、唯一の代理人(以下、OR)に委任する場合は、 EUの輸入者は ORの川下ユーザーと見なされ、この輸入者の義務を実施することになります。
ORによる年間量は、そのORを任命した物質メーカーのサプライチェーンからの輸出量の総計として算出されます。ご質問では、貴社の製品を EUに輸出することを伝え、物質メーカーに登録を依頼されているとのことです。
従い、物質メーカーでは、貴社の購入分を考慮して、登録手続きを取っていると考えます。従い、貴社からの輸出量が1tを超える可能性のある輸出先の情報は、物質メーカーからORに伝えておくことが必要と考えます。
段階的導入物質の場合は、これまで継続して貴社の製品を輸出している場合は、前3年間の平均となりますので、当該年度だけ1tを超えても、輸出先には登録に関する義務はありません。
従い、ORにその輸出先の情報が伝わっていなくても、直ちにREACH規則違反を問われることはないと考えます。過去3年間の平均輸出量が1t以上となる場合に、ORへ輸出先の情報の伝達が必要になります。
ただし、新しい輸出先は3年連続した輸出はないことになりますので、暦年で1t以上になる場合に、顧客の情報を物質メーカーからORに伝える必要があります。
新規物質の場合は、上記の段階的導入物質の新規輸出先と同じく、暦年で1tを超える場合に、輸入者に登録の義務が発生しますので、ORにこの情報の伝達が必要です。
なお、ORにより登録を行う場合は、輸出先にORを任命して、登録が行われていることを通知する必要があります。