EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
フタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP)は、REACH規則附属書XIVに規定される認可対象物質に含まれており、第56条によると認可が得られなければ使用することができないと規定されています。
また第62条「認可の申請」によると申請は、EU域内の製造者、輸入者および/または川下使用者の1つまたは複数の者が、化学物質庁に対して行うことができると規定されています。
一方、成形品に含まれる認可対象物質についてのガイダンス文書(Guidance on requirement for substances in articles 2011.4.1)では、「EEA(欧州経済地域)へ輸入された成形品は認可が要求されない。(Substances being (an integral) part of imported articles cannot be subject to authorisation. This means that in order to import articles into the EEA an authorisation cannot be required.)」と記述されています(ただし、同ガイダンス文書では「生産者自身がこれらの物質を成形品に組み込む(incorporates)場合は、その物質の使用が認可されなければならない」としている点に留意が必要です)。
したがって、このガイダンス文書によればEU域外で製造される成形品が認可対象物質を含有していても、この成形品をEUに輸出するに当っては、認可の取得の必要はありません。
ただし、附属書XIVのリストに収載されてもSVHC(認可対象候補物質)のリストからは削除されないため、今回のご質問にありますフタル酸エステル類(DEHP、BBP、DBP)を含有する成形品については、REACH規則第7条2項で定められた届出の義務は残ります。
すなわち、成形品が以下の2つの条件のいずれをも満たしている場合、(EU域内製造者または)輸入者には当該物質のECHAへの届出の義務が発生します。
また年間1tを超えない場合であっても、成形品に0.1%(重量比)を超えるSVHCが含有される場合は、下記の情報提供義務が発生します。