EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
成形品中の高懸念物質(SVHC)の提供義務は、REACH規則第33条で規定されています。この義務は、ECHAのページ や「成形品中の義務に関するガイダンス」では、物質がcandidate listに収載された日から発生すると説明しています。
ご質問の成形品の高懸念物質(SVHC)の消費者へ情報提供する45日は、REACH規則第33条第2項に「消費者から要求があった場合には、その成形品を安全に使用するために十分な情報(少なくとも物質名)を45日以内に無償で提供する」にあります。この45日の起点は、消費者からの要求を受け取った日からとなります1)。
以上より、消費者の情報提供を受取る権利は物質がcandidate listに収載された時点から発生し、消費者の要求を受取ってから45日以内に情報提供することが必要となります。
REACH規則第33 条は、成形品の安全な使用を可能にするためにサプライチェーンを通じて十分な情報が伝達されるようにすることが目的です。安全な使用のために特別な情報が必要でない場合には、最低限、物質の名前を提供する必要があるとされています1)。
情報伝達は第33条の第1項では「0.1重量%を超える濃度でcandidate listに収載されたSVHCを含む成形品」に義務付けられています。この条項は上記しましたようにcandidate listに収載された日から義務が発生しますので、candidate listに収載される前から準備する必要があります。
このためには、上記のガイダンスドキュメント1)では、ECHAのウェブサイトに公開される「registry of intentions(意図の登録=次期提案のための登録)」に注意することを勧めています。従いまして、これで公表される物質を自社で使用している場合にはその情報を供給先に提供し、川下企業は自社の材料への含有の可能性について情報を把握しておくことが必要と考えます。
1)
http://echa.europa.eu/web/guest/registry-of-current-svhc-intentions