EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
わが国の電気電子機器を対象にした化学物質規制としては2006年7月1日に施行された資源有効利用促進法改正政省令があります。同政省令で特定化学物質(以下6物質)を含有する電気電子機器(以下7品目)についてJIS C 0950(通称J-MOSS)に従って含有情報の提供(例えば、基準値を超えた場合にオレンジ色のマークによる表示など)が義務付けられました。
J-MOSSは特定化学物質および基準値がEUのRoHS指令と同じであることから、日本版RoHSと目されることもありますが、RoHS指令が特定化学物質の使用を制限するものであるのに対し、J-MOSSは特定化学物質の含有状況の明示を義務付け、その明示方法を基準化したものです。
以下に規定の概要を記載します。
RoHs指令と同じ鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、PBB、PBDEの6物質で、最大許容濃度はカドミウム0.01wt%、その他0.1wt%と定められています。
表示方法はJ-MOSSの2008年度版に以下のように定められています。
貴社の製品が規制の対象であるかどうか、対象の化学物質を含有しているか、最大許容値を超えていないかを確認し、該当する場合はJ-MOSSの規定に従って正しく表示をしていただきたいと思います。
上記規制以外では化審法と化管法が関係する可能性がありますので参考として紹介します。
化審法では、化学物質の性状(分解性、蓄積性、毒性、環境中での残留状況)に応じて規制が定められています。第1種特定化学物質(28化学物質)の製造、輸入の許可性とそれらを使った政令指定製品の輸入禁止です。例えば、ポリ塩化ビフェニルを使った紙コンデンサー、油入りコンデンサー及び有機皮膜コンデンサーなどが輸入禁止対象製品です。
化管法はPRTR制度とSDS制度がその柱で、後者が関係する可能性があります。本制度は対象の化学物質(第1種指定化学物質462種および第2種指定化学物質100種)および、対象物質を1質量%以上(第1種指定化学物質の場合は0.1質量%以上)含有する製品を事業者間で譲渡・提供する場合、化学物質の性状および取り扱い情報(SDS)の提供を義務付けているからです。