EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
川上企業がREACH登録をしている物質については、貴社の輸出先となるEU域内輸入者が川下使用者として位置づけられていれば、EU域内輸入者はあらためてその物質を登録する義務はありません。
EU域内輸入者が川下使用者として位置づけられるためには、EU域内輸入者と川上企業が任命したEU域内の唯一の代理人(OR)がお互いの情報を把握する必要があります。
そのため、貴社は、EU域内輸入者の情報や年間輸入量を、川上企業を通じてORに伝達することが規定されています。ただし、EU域内輸入者の情報等を川上企業に伝達することが困難な場合には、川上企業からORの情報を入手し、EU域内輸入者に伝達し、EU域内輸入者からORに連絡するという対応も考えられます。
また、REACH規則第34条で定められている通り、貴社の輸入者はサプライチェーンの川下企業として、危険有害性やリスク管理手法において、新たな情報を入手した場合には、貴社を通じて川上企業に対して情報伝達することが求められます。
なお、現状の川上企業による登録情報に輸入者の用途が含まれていない場合には、輸入者の用途をORに伝達し、登録一式文書を更新して用途を含めてもらう必要があります。そのため、貴社は、ORによる登録一式文書の更新に必要な情報を川上企業に伝達しなければなりません。
しかしながら、上記の情報を伝達したくない、または川上企業で登録一式文書を更新しない場合には、川下使用者である輸入者がREACH規則第37条および第38条で定められた化学物質安全報告書(CSR)の作成やECHAへの届出が必要になります。