電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2008.02.15
韓国RoHS法(電気・電子製品および自動車の資源循環に関する法律 6章46条)が2007年4月27日に公布され、12月28日に大統領令(37条別表8)および施行規則(20条書式28)が公布(注1)されて、具体的な義務が明確になりました。
規制内容は、EUのRoHS指令だけでなく、ELV指令やWEEE指令を含む幅広いものです。ここでは、日本の電気・電子機器メーカーにとって、ポイントになる事項を整理してみました。
法律名称が示しますように、電気・電子製品と自動車のリサイクルの促進が目的で、そのために有害物質の使用を抑制するものです。韓国RoHS法の目的には、EU RoHS指令、中国RoHS管理規則の目的に明記されている「人の健康の保護」がなく、日本の「資源の有効な利用の促進に関する法律 J-Mossの根拠法」と同じ表現となっています。環境と人の健康保護を直接的に表現するか間接的に表現するかという差異ですが、国情を表しています。
韓国RoHS法によるリサイクル政策は、ほかの法規制に優先するとなっています。従来のリサイクルシステムが変更されることになります。
電気電子機器の対象は次のとおりです。
特定有害物質と最大許容濃度はEU RoHS指令と同じです。
物質 | 最大許容濃度 |
---|---|
鉛 | 均質物質内で0.1wt%未満 |
水銀 | |
6価クロム | |
PBB | |
PBDE | |
カドミウム | 均質物質内で0.01wt%未満 |
(wt%:重量比)
均質物質はEU RoHS指令と同じで、機械的な方法で分離されない単一物質としています。
有害物質含有制限は、段階的に制限されます。
新たな型式の電気電子製品は2008年7月1日から適用されます。2008年7月1日以前から販売されている製品で、2008年7月1日移行も販売する場合は、2011年1月1日まで適用が延長されます。この延長適用を受けた製品の修理部品は除外される特例があります。
除外はEU RoHS指令の除外とほぼ同じですが、はんだの鉛の除外など微妙に異なる部分があります。
製造者(輸入者)は対象となる電気電子製品の特定有害化学物質の含有濃度が最大許容濃度以下であるとする順法宣言を当局の指定ホームページまたは自社ホームページなどで公表する義務があります。公開すべき内容は所定様式で決まっています。
なお、公表は特定有害物質の非含有宣言以外に、リサイクル関連も公表する義務が定められています。
韓国RoHS法による有害物質含有規制は、特定製品に特定有害物質の含有制限ですが、特定製品以外も有害物質の非含有の努力義務は定められています。
(松浦 徹也)
注1
大統領令、規則の条文入手先
韓国語のサイト
http://gwanbo.korea.go.kr/upload/2007/12/1228000000.pdf
日本語訳提供
http://www.jetro.go.jp/biz/world/asia/kr/reports/05001497(JETROソウルセンター)
韓国RoHS法
英語 http://www.kece.eu/data/Korea_RoHS_ELV_April_2007_EcoFrontier.pdf