電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2012.04.20
中国の自発的認証制度の実施手順を示す「国家統一推進電子情報製品汚染制御自発認証実施規則(2011年8月30日公示)」(以下実施規則)には、製造者に対して社内管理体制(マネジメントシステム)を要求しています。
まず、実施規則の概要を振り返って整理します。自発的認証方式はタイプ1からタイプ4の4方式があります。
タイプ1:型式試験
タイプ2:附属書Iに収載された部品類
タイプ3:完成品及び組立製品(複雑製品)
タイプ4:すべての製品
タイプ1からタイプ3は、申請すると書類審査があり、その後サンプル試験が実施されます。タイプ4は書類審査、サンプル試験後に初回工場審査があります。
タイプ1からタイプ3の書類審査の内容は、第4.2項(書類審査)の3に以下ようにあります。
3)初回工場検査のない認証モデルは、認証委託人が提供する生産企業汚染制御管理体系に関する管理書類の内容及び各種体系認証証書(ある場合のみ)を確認することにより、生産企業汚染制御管理体系が認証条件を満たすかどうかを確認する。
意訳すれば、ISO9001の品質マニュアルと認証書(第三者認証を得ていれば)が要求されています。
タイプ4の初回工場審査については第4.4項に内容が示されています。
「生産企業管理能力要求」は、生産者汚染制御(RoHS)管理の能力要求で、「生産者が設計、仕入れ、生産、製品変更の中、使用制限のある物質に対す管理の能力に関し、本実施規則の汚染制御(RoHS)管理要求を満たすものとする」としています。
具体的には生産者汚染制御(RoHS)管理の能力要求事項として次の10項目となっています。
1全般要求基本要求事項はISO9001ですが、汚染制御(RoHS)要求事項が追加されています。いくつかの項目について要求内容を紹介します。
ISO9001の管理責任者の義務(5.5.2項)に汚染制御(RoHS)の要求が付加されています。中国RoHS管理規則〔RoHS(I) 〕の適用範囲は製品だけでなく、部品材料まで入っています。100問100答(FAQ)で、中国RoHS管理規則の狙いはサプライチェーンの上流まで管理(グリーンサプライチェーンを構築)することとしています。サプライチェーンの管理も管理責任者の義務としています。
重要プロセスの判別は、食品関連で多用されているHACCP(Hazard Analysis Critical Control Point)が有効と思います。HACCPの手順は数多くの成書があるので、解説は割愛しますが、重点管理工程がHACCPのCCP(Critical Control Point)が重要プロセスに近い考え方になります。
自社あるいはサプライチェーン管理で要求事項を徹底するのに、限られた経営資源をどこに投入するのかを決定するのにも、重要プロセスの決定の考え方が必要となると思います。
2項以降も上記程度の差異あるいは追加事項になっています。次回は2項以降についてISO9001に付加されている主要事項をまとめてみます。また、EU RoHS(II)のCEマーキング対応としての社内管理についてもまとめます。
(松浦 徹也)