電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
2008年12月3日にWEEE指令およびRoHS指令の改正提案が公表されました。
改正提案RoHS指令には、生産者の義務として、新たに附属書VII(EC Declaration of Conformity)による適合宣言書とCEマークの貼付が追加されました。
現RoHS指令では自己宣言としていますが、適合範囲に該当するかどうかの判断が難しいこと、不適合製品があまりに多いこと、製品の適合性評価や市場監視方法が加盟国によって異なることなど、実施に関わる諸問題が浮き彫りになったことが改正提案の背景にあります。
製品保証を「工程で作り込む」という考えに基づき、設計、調達、生産のもの作り全体でRoHS指令の適合性を管理するための工程保証をCEマーキングで行うことが要求されました。
したがって、附属書IIに示された対象製品には新たにCEマークの貼付が必要になります。
改正提案RoHS指令のCEマーキングは、ニューアプローチ指令の仕組みのモジュールA(内部生産管理)によって行われます。ニューアプローチ指令に規制された製品は要求事項に適合しなければならず、この要求事項に適合している製品のEU域内での出荷、流通のためにはCEマーキングが貼付されている必要があります。
また、製品が複数の指令の対象であり、それらの指令がすべてCEマーク貼付を定めている場合、CEマーキングは当該製品がこれらすべての指令に準拠しているとみなされます。したがって、CEマーク貼付のないものはRoHS指令適合製品とはみなされないことになります。
適合宣言書の具体的な書式は規定されていませんが、宣言書のサンプルは下記URLのJETROの資料が参考になるかと思います。
http://www.jetro.go.jp/world/europe/eu/reports/05000942?print=1
なお、改正提案REACH規則の附属書VIIに宣言書に記載すべき内容が示されています。
改正提案RoHS指令の施行日は明記されていませんが、今回の提案文書は本文改正ですから理事会と議会の共同決定手続きになります。現行RoHS指令の制定と同じ手続きですから、決定までに多くの修正が繰り返されのではないかと思われます。
なお、改正提案で適用範囲に含められたCat8 /Cat9については、特定有害物質の非含有義務の適用時期は段階的になっています。
能動型植込医療機器は当面除外で2020年見直しとされています。
改正RoHS指令提案とCEマーキングについて、2009年2月6日付けコラムに解説されていますので参照ください。