電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
英国のBERR(Department for Business, Enterprise & Regulatory Reform:ビジネス企業規制改革省)のガイダンスノートでは、該当する除外項目「7c」で電子セラミック中の鉛についてつぎのように解説しています。
「(除外項目)7c.電子セラミック中の鉛(例えば、圧電デバイス)
セラミック材料は、キャパシター、絶縁体、圧電体、磁石やICパッケージに使われている。これらのセラミック材料には、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛やマグネシウムニオブ酸鉛のように、鉛を含む材料がある。これら材料の特別な組成と製造プロセスで、そのコンポーネントの機能に不可欠な誘電定数や損失等の電気的特性が決まる。それゆえ電気・電子機器に用いられる電子部品のセラミックに用いられる鉛は、RoHS指令から除外されている」(回答者訳)
http://www.berr.gov.uk/files/file54298.pdf
また、RoHS指令第5条の「科学および技術の進歩への適用」のために、4年ごとに除外項目の見直しが行われます。OekoインスティチュートおよびフラウホーヘンIZMの両社が行った見直しの最終報告書では、7cの除外項目については、誘電体セラミック、圧電体セラミックおよびPTCセラミック中の鉛について検討しています。
http://ec.europa.eu/environment/waste/weee/pdf/final_reportl_rohs1_en.pdf
すなわち、部品は複数の材料からできていますが、電子部品を構成するセラミック材料で、求められる特性を出すのに鉛が必須である場合には除外が認められることになります。セラミック材料でも鉛が必須成分でなく、その特性を持つ代替材料がある場合やセラミック材料以外の材料中の鉛については、この7cの除外は適用されないと考えるのが妥当と思います。
なお、除外項目の見なし報告書では、圧電セラミック、PTCセラミックおよびAC125VまたはDC250V以上の誘電体セラミック(コンデンサー)につては代替技術がないことから除外適用を延長し、AC125VまたはDC250V以下の誘電体セラミック(コンデンサー)につては期限を設ける提案になっています。