電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
WEEE指令およびRoHS指令の第3条(a)では、電気・電子機器は「正しく作動するために電流または電磁界に依存する機器であって、WEEE指令付属書IAに定めるカテゴリに属するもの。さらに交流1000V、直流1500Vを超えない定格電圧で使用するように設計され、そのような電流と電磁界を発生させ、伝導、測定するための機器」と定義されています。
WEEE指令が適用される付属書IAで規定する製品群は10種類のカテゴリに分類されています。他方、RoHS指令が適用される製品群としては、WEEE指令の付属書IAを引用していますが、10種類のカテゴリから、カテゴリ8の医療用機器およびカテゴリ9の監視・制御機器を除く8製品群の電気・電子機器、電球および家庭用照明器具が規定されています。
WEEE指令に定めるゴミ箱にXを付したマーク"crossed-out wheeled bin"(以下、シンボルマーク)は10カテゴリのすべての製品群に貼付しなければなりませんが、シンボルマークが貼付されていても、カテゴリ8の医療用機器、およびカテゴリ9の監視・制御機器の2製品群はRoHS指令の対象外となります。なお、RoHS指令では、シンボルマークの貼付は要求されていません。したがって、WEEE指令では対象外の電球および家庭用照明器具には、シンボルマークは貼付されません。
WEEE指令では、シンボルマークを2005年8月13日以降に上市する電気・電子機器本体に貼付を義務付けていましたが、RoHS指令施行日は06年7月1日でした。そのため05年8月13日から06年6月30日の間に上市された、シンボルマークが貼付されたRoHS指令適用製品群であっても、RoHS指令に適合してない製品があることになります。
また、WEEE指令は国内法に転換されてから適用されます。加盟国によっては、国内法の施行がWEEE指令で規定されていた05年8月13日より遅れた国があります。例えば英国では06年6月に施行されました。RoHS指令に適合していない製品にシンボルマークの貼付されたRoHS指令適用製品群が上市されていた期間は、加盟国によって異なっていることになります。
なお、シンボルマークについて、WEEE指令においては"crossed-out wheeled bin"が示されていましたが、06年3月1日に採択された「EN50419」で"crossed-out wheeled bin"の下に下線を入れることになっています。
また、現在WEEE指令およびRoHS指令の改正手続きがなされています。
現行RoHS指令で適用除外となっている医療用機器および監視・制御機器の適用範囲について、以下のような段階的に適用する提案が出されています。
2014年1月1日 医療機器、監視および制御機器に適用
2016年1月1日 体外診断医療機器に適用
2017年1月1日 産業用監視及び制御機器に適用
シンボルマークについては「EN50419」によることが明記されています。
最近の審議動向については2010年6月11日付けコラム「改正RoHS指令の議会の審議動向」を参照ください。