電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
上市(placing on the market)は、RoHS指令の第3条で次のように定義されています。
また、新版のブルーガイド(The 'Blue Guide' on the implementation of EU product rules 2014)では「上市」について次のように記載されています。
「製造業者または輸入業者が、流通業者あるいは最終使用者(end-user)に最初に製品を供給した場合に法的に「上市」と称され、」(以下、省略)
上市については、旧版の「ブルーガイド」(Guide to the implementation of directives based on the New Approach and the Global Approach)では、「製品の移送は、製造者または製造者のEU域内の認定代理人から、EU域内輸入業者またはEU市場に流通させる者の間で行われ、(以下、省略)」とされていましたが、上述のとおり表現が変更されています。
RoHS指令の第9条(b)では、輸入業者の義務としてEEEを上市する前に製造業者による適切な適合性評価の実施や技術文書の作成、CEマークの貼付などを確実にすることが求められています。また、第18条の加盟国による市場監視において、引用されている規則(EC)No 765/2008では第27条において輸入製品の管理が定められており、通関当局がCEマークや各種指令が要求する文書類の添付状況などを確認することになっています。
つまり、日本から製品が現地法人に輸出される場合、現地で通関時の適合性確認と現地法人から出荷された段階(最終使用の意図)の適合性が確認されます。
RoHS指令の上市は現地法人から出荷(流通業者への引き渡し)に該当し、その時点から技術文書の保管期限である「10年」が開始されることになります。
このように通関と上市の時点は異なる場合もあり、法規制が変更される時点(例:2014年7月22日から医療機器等にRoHS指令が適用)においては変更前に通関し、輸入業者が保管し、変更後に上市する可能性がある製品に注意が必要です。
EU域外の製造業者としては、EU域内の輸入業者内の在庫等も考慮したうえで対応時期を検討することが必要であると考えます。