電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
均質材料は機械的に分離できない材料であり、さらに「組成全体が均一な材料」を示します。例としてはプラスチック、セラミックス、ガラス、金属、合金、紙、樹脂、コーティングなどです。
RoHS指令の最大許容濃度はそれぞれの均質材料に適用されます。機械的に分離可能であれば、分離された材料ごとが均質材料として扱われます。
プリント基板などで無電解ニッケル・金めっきを行う場合、(1)無電解ニッケルめっき、(2)金めっき(フラッシュ)、(3)金めっき(厚付)の順にめっきを行います。
金めっき(フラッシュ)は置換型の金めっきであり、ニッケルの表面を金が覆うだけの薄いめっきです。金めっき(フラッシュ)の厚みは0.03-0.05μm程度です。
接点や摺動部等の金めっき(フラッシュ)では、機械的強度が不足する場合等ではこの上に金めっき(厚付)を行います。
めっきの専門家の情報では、置換型めっきを連続して行うとニッケルめっき層が荒れるので0.03μmで下処理をします。
下処理をしたうえでさらに置換型金めっき(厚付)を行えば、0.2-0.3μmのめっき厚ができます。
さらに、厚みを求める場合は還元型めっきとなり、1.2μmまで厚くすることができます。
2回に分けて置換型めっきをした場合、薄いこともありますが、断面を見た場合に境界は確認できないようです。
置換型めっきの後に還元型めっきをした場合、断面を見ると(2)と(3)の境界は確認できるようです。
これより、(3)金めっき(厚付)が置換型の場合は単層扱いとなり、還元型の場合は2層扱いとすることが適切と想定されます。
めっきの金は、多くの場合はめっき液のシアン化金カリウムによります。現状のRoHS指令の制限物質で懸念されるのが鉛とカドミウムです。
よって、めっき液のSDSなどで管理するのが基本となります。