電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
改正中国RoHSはこれまでの様々な経過を経て2015年5月に公表された草案を基本として2016年1月6日に公布されました。
http://www.miit.gov.cn/n1146285/n1146352/n3054355/n3057254/n3057260/c4608532/content.html
なお第23条で施行日は2016年7月1日と明示されています。
旧規制からの主な変更点は以下の通りです。
旧規制での対象製品は電子情報製品だけでしたが、新規制では家電製品なども含めた電気電子製品全般が対象となります。電気電子製品とは、第3条で「電流あるいは電磁力に依存して作動し、電流と電磁気を発生、伝送、測定することを目的にするもので、定格稼働電圧は直流1500ボルト、交流1000ボルトを超えない設備及び付属品である。ただし、電気エネルギーの生産、伝送と分配の設備を除く」と定義されています。
EUのRoHS指令と同様に定格電圧で対象製品を定めることで、旧規制よりも対象範囲が拡大することになります。
規制有害物質は第3条で「1.鉛及びその化合物;2.水銀及びその化合物;3.カドミウム及びその化合物;4.六価クロム化合物;5.ポリ臭化ビフェニール(PBB);6.ポリ臭化ジフェビニルエーテル(PBDB);7.国家規定するその他の有害物質」であると定義されています。「その化合物」というところが拡大されていますので注意が必要です。
旧規制では「重点管理リスト」に掲載された製品を対象とし、対象製品には「強制認証制度」による認証がないと中国国内では販売できない仕組みとしていましたが、結果的には「重点管理リスト」へ具体的な製品が掲載されることなく、旧規制は廃止されることになります。新規制では旧規制と同様に、目録管理方式をとる(第17条)こととなっています。しかしながら、新たな制度として「電気電子製品有害物質使用制限合格評価制度」で管理をする(第18条)こととし、産業発展の実際的な状況によって実施時期を公布する(第19条)としています。
新規制対応としては、対象製品の拡大に伴い、旧規制対象製品および新しく規制対象品となった製品ともに、旧規制と同様に含有または非含有の表示(環境保全使用期限等)が必要となります。一方、規制有害物質の使用制限については、目録収載製品が出てきたのちに上記への対応をしていくことになりますが、現在のところ上記第18条、第19条についての詳細は公表されていません。規制施行日の7月1日までは各種の情報に注意を払うことが必要です。
なお、中国RoHSのこれまでの流れについては2016年2月26日付コラム「中国RoHS管理規則の変遷にみる規制の本質」に、また、当規制のもととなっている2015年5月の草案については2015年7月10日付コラム「動くか?改正中国RoHS管理規制」に詳しく解説されています。ご参考としてあわせてご確認ください。