電子・電気部品に関する欧州の環境規制(RoHS指令)について紹介
貴社製品の一部ユニットの製造を外部へ委託する場合、(1)当該ユニットの設計を貴社が行い、技術仕様書に加え図面や使用する部品構成表などを貼付する場合と、(2)技術仕様書のみの発注で、設計まで製造委託先企業に委託する場合があると思われます。それぞれのケースごとに説明します。
貴社が詳細設計まで行い部品などの選定を行う場合には、設計段階で貴社が使用部品に規制の対象となる6種類の化学物質が含有されていないことを確認することになります。具体的には、部品を製造する企業からRoHS規制対象の化学物質を含有していないことを証明する証明書(非含有証明書)を入手することで確認します。
また、製造委託先企業においては、指定された部品のみを使用して製造することと、製造工程内で規制物質が混入しないように管理することが求められます。具体的には組立工程で使用するはんだで鉛フリー化などの対応です。
したがって、そのユニットをRoHS対応製品として取り扱うためには、委託先企業の製造工程において、規制物質の混入がないことを委託先企業より証明してもらう必要があります。
(1)委託先企業より、部品構成表が入手できる場合
当該ユニットに使用する部品構成表が入手できる場合には、それらの部品のRoHS対応について貴社が独自に確認することが可能ですので、委託先企業からはその製造工程中で規制物質の混入がないことを証明してもらえば、RoHS対応が確認できることになります。
(2)部品構成表が開示されない場合
企業秘密などにより、委託先企業より当該ユニットに使用する部品の情報を得られない場合には、委託先企業により当該ユニットそのものにRoHS規制対象の化学物質が含有されない事を文書で証明してもらい、RoHS対応の確認を行うことになります。
なお、EU域内へ貴社製品(成形品)を輸出する場合には、REACH規則への対応も必要になります。成形品中の物質に関する義務(第7条、第33条)として、次の2点が成形品の製造者/輸入者に対し、課せられています。
したがって、当該ユニットを構成する部品から意図的放出の可能性がある物質やユニットを構成する部品中のまたは製造工程で使用する素材などに含まれるCL物質を把握し、REACH規則対応の要否を判断することが必要になります。前述の部品構成表などの情報を開示されないケースの場合には、REACH規則の対応に関する情報についても委託先企業より提供してもらう必要がありますし、その他のケースの場合でも製造工程中で混入する化学物質の情報を示してもらう要請をする必要があります。