EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
まず、2番目のご質問から説明します。REACH規則では、欧州化学品庁に登録されていない「物質(Substance)」はEU域内で製造・輸入することはできません。REACH規則の定義は下記のようになっています。
REACH規則では、附属書IV、およびVに登録義務が免除されている物質が掲載されています。その中に、ご質問の鉱物・鉱石があげられていますが、化学的処理がなされていないことが条件です。鉄・アルミなどは、鉱物・鉱石を化学的処理されて製造されますから、年間1t以上を製造・輸入される場合は登録義務があります。また、アルゴン、炭素、水、グラファイトカーボンなども登録が免除されています。
次に1番目の鋳物や板金の材料について説明します。輸出する材料は輸出先で加工されますので、物質または調剤に該当します。
鉄/炭素を主成分のとする鋳物材料については成分の鉄は登録対象ですが、炭素は登録対象から除外されています。板金材料についても、その成分それぞれが登録対象になります。混合物からなる鋳物材料や板金材料そのものは登録対象ではありません。
登録の義務についてですが、例えば、原料の鉄をEU域外の企業、例えば日本国内の企業から購入し、購入先のメーカーで登録されておらず、輸出する材料に含まれる鉄の総量が年間1t以上だと、輸入元あるいは貴社が任命する「唯一の代理人」で登録が必要になります。
ほかの物質についても同じ扱いになります。すなわち、輸出する材料の種類、品種に関係なく、それらの材料に含まれる物質が同じであれば、その総量が年間 1t以上になりますと登録義務が発生します。鋳物材料だけ、あるいは板金材料だけに含まれる物質の量を個々に判断しないことにご注意ください。