EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
成形品にSVHCが0.1wt%を超えて含有する場合のトン数計算は、製造者または輸入者ごとに集計します。したがって今回の場合は、貴社が取引をされている販社Aが取り扱うすべての成形品分についを合算することになります。
貴社が輸出する成形品以外にも同一のSVHCを0.1wt%を超えて含有する成形品を販社Aが輸入していれば、仮に貴社の販売量が少なくても、A社が取り扱うSVHCが年間1t以上になりますと、販社Aには届出義務があります。
ECHAのWebサイトで、2008年10月28日に第1回目として15物質がSVHCとして特定され、届出の期限について次のように発表されています。
(1)2010年12月1日以前に特定されるSVHCについては、2011年6月1日以前に届出
(2)2010年12月1日以降に特定されるSVHCについては、特定された日から6カ月以内に届出
なお、成形品に0.1wt%を超えてSVHCが含まれている場合には、SVHCが1t未満であっても販売量に関係なく、販社Aには次のような義務があります
(1)供給者(販社A)は川下の受領者に対して、少なくとも物質の化学品名称と成形品を安全に使用するための方法を提供しなくてはならない。
(2)供給者(販社A)は消費者から要求があった場合には、同様の情報を45日以内に無料で提供しなくてはならない。
この義務は2007年6月1日から発効していましたが、SVHCが特定されていませんでしたので情報提供はできませんでした。しかし、発表された15物質がSVHCとして特定されましたので、これらのSVHCについては情報提供の義務が発生しています。
貴社としては、該当する物質があれば、販売量にかかわらず原材料の納入先から、物質の情報(含有量・用途・分類など)を入手し、販社Aからの問い合わせに対応できるよう準備しておく必要があると言えます。SVHCは、今後さらに追加されていくことになっていますので、適宜ECHAのWebサイトで確認することが必要です。
ただし、成形品の使用中および廃棄後に人や環境へのSVHCの暴露を排除できる場合は、届け出の必要はありません。また、すでに同一の用途で、同一サプライチェーン、あるいはほかのサプライチェーンで登録されている場合も届出の必要はありません。