EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
ご質問のHexabromocyclododecane(ヘキサブロモシクロドデカン、以下HBCDD)について、Supporting Documentに従って整理して考えてみます。
この文書の中で、HBCDDのCAS No.の2種類のうち、CAS No.25637-99-4は異性体の組成が特定されていない物質、CAS No.3194-55-6については異性体の組成が特定された物質となっています。主な異性体には、3種類の異性体についてCAS No.が付されています。
前者については、異性体組成は特定されていませんが、これらの3種類の異性体からなる物質と考えられます。
製造者・輸入者により、異なるCAS No.を使用しています。
なお、下記3種類の異性体は、臭素の立体配置が相違しています。
製造条件により、これら3種類の組成に相違はあるようですが、一般的にはα-HBCDDとβ-HBCDDが3-30%、γ-HBCDDが70-95%の組成とされています。
市販のHBCDDについては、異性体の組成が特定されているか、いないかで、それぞれCAS No.(EC No.)が付与されていますので、提供される情報のCAS No.(EC No.)を伝達すればよいと考えます。
日本国内では、HBCDDは化学物質の審査に関する法律(化審法)の第一種監視化学物質に指定されているため、国は製造・輸入数量の実績を把握し、さらに合計1t以上の化学物質については、物質名と製造・輸入数量を公表することになっています。
したがって、貴社が川下企業に適切な情報を提供する際には、川上企業が化審法に則った適切な手続きを施しているか、事前に確認することが妥当と考えられます。