EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
自動車業界のREACH対応に関しては、欧州自動車工業会(ACEA)を中心としたTask Force REACH(TF-REACH)が作成したIndustory Guideline on REACH(AIG)が示されています。TF-REACHには、欧州のほか、米国や韓国、日本からは、社団法人日本自動車工業会(JAMA)が参加しています。
AIGは、以下の前文、本文6章、付属書6項で構成され、自動車業界としてサプライチェーン全体を包含したREACH規則対応へのガイドラインを提供しています。
エグゼクティブサマリー/前書き
・ 第1章 序論(REACHと自動車業界)
・ 第2章 主要な用語の定義と頭字語
・ 第3章 留意すべき重要な日付と期限
REACH規則のスケジュールが提示されています。
・第4章 指針
REACH規則の解説や自動車業界における考慮事項等を13の指針として提示されています。
・第5章 REACHに適合する手法 ― 段階的プロセス
REACH規則への適合に向けた7つのフローチャートが提示されており、事業者フローチャートを辿ることで、参照すべき指針や実施すべき措置などが示されています。
・第6章 AIG 8ステップ適合スケジュール
自動車業界がREACH規則の義務の遂行にあたり、8つのステップに沿った対応が推奨されています。
・附属書A〜F
サプライヤーに対してREACHの認識を高めるためのレターやREACH対応の意思表示を求めるためのレターの雛形が提示されています。
質問にある「自動車業界のサプライヤーへの対応」に関してですが、ガイドラインの付属書B(REACHの認識を高めるための書状)および付属書C(意志表示を求める書状)の雛形を用いてサプライヤーに対して、REACH規則に対する理解と認識を求める企業が増えています。自動車業界ではELVを始め、環境規制対応のためIMDSやそのほかの物質報告システムを用いて作業している企業があり、これらのツールを使用することが可能となります。
IMDSの利用と利便性向上のためには、GADSL(統一化学物質リスト)やJAMA統一データシートなどの併用が考えられます(TF-REACHは、成形品に含まれているSVHCのための情報収集の手法としてIMDSを使用することを考えています)。
日本自動車部品工業会(JAPIA)のホームページで、AIG version2.1の和訳版が提供されていますので、確認されることをお勧めします。