EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
罰則はREACH第126条で2008年12月1日までに「加盟国は、本規則の規定の違反に適用する罰則に関する規定を策定」し通告することと「罰則は、有効的で、つりあいのとれた、かつ制止的なものでなければならない」とされています(環境省訳)。
2008年12月の第6回CA会議(6th Meeting of the REACH Competent Authorities)によりますと、加盟国間の調整をして2009年12月までに揃えることになっています。国内法が出揃うまでは明確な回答ができない状態ですが、REACH規則からの原則的な解釈と解釈のための情報をお示しします。
REACH規則の義務者はEU域内の法人または自然人とされ、成形品中のCandidateList収載物質(高懸念物質)に関連する義務は第7条と第33条にあります。
域内の成形品の生産者または輸入者にCandidateList収載物質の届出義務があります。届出はIUCLID5になりますので、域外企業は届け出ることができなく、輸入者または唯一の代理人が届け出ることになります。 唯一の代理人で届け出る場合は、唯一の代理人のID、パスワードによりデータ入力はEU域外でもきます。
CandidateList収載物質を0.1wt%以上含有する場合の情報提供義務です。
情報提供義務は大きくは2分類あります。
(1)B to B (第33条1項)
EU域内の成形品の供給者(成形品の生産者もしくは輸入者、または成形品を上市するサプライチェーンにおける流通業者または他の関係者をいう)は、成形品の受領者に情報提供の義務があります。
この情報義務は、要求がなくても出す必要があります。
(2)B to C (第33条2項)
この場合は、消費者から要求があった場合に情報を提供する義務が生じます。ただ、消費者の用語の定義はなく、自社製品を購入している顧客とは限定されておらず、幅広く解釈(潜在的顧客)される可能性もあります。
輸入者が義務を果たすため、貴社からの支援は当然必要になります。微妙ですが、通関できないのでビジネス上の情報提供は必要です。
B to Cの場合であれば、消費者からクレームを受けるのは生産者です。消費者はREACH規則の義務を十分に理解せず、域外であっても購入製品の生産者にクレームをつけがちです。製品の生産者にはこのリスクがありますので、輸入者に情報提供をしてエンドユーザーまで情報を提供するように要求することが肝要と思えます。
特に、輸入者は必ずしもREACH規則を知らない場合もあり、義務を知らせることもまた必要です。
貴社にとって、域内企業が法律違反をすることで、貴社製品に傷のつくリスクを少しでも下げる取組みが必要と思います。それをどこまで徹底するかは「デューデリジェンス:やるべきことをやっているか」です。デューデリジェンスは、同じような成形品の生産者であっても、企業規模や用途などで異なりますので、他社の取組みを真似るのではなく、自ら取組みを決定します。
基本はISO9001などのマネジメントの仕組みで、設計、購買、作業、流通や販売管理などの管理要素を具体的にマネジメントします。