EUの化学物質関連規則を統合するREACH規則について紹介
REACH規則附属書XVIIの制限物質の制限条件は、個々の物質ごとに細かく規定されています。ご質問の「上市される物質及び調剤において・・」だけの制限条件の場合には、ご指摘の通りREACH規則附属書XVIIでは、上市される「成形品」については制限されていません。
ただし、成形品への使用が本附属書で制限されていなくても、他の法令で成形品への使用が制限・禁止されている化学物質がありますので注意が必要です。
例えばREACH規則附属書XVIIでは、炭酸鉛、硫酸鉛が制限物質として、塗料成分としての使用が制限されています。他方、電気・電子機器(RoHS指令)や自動車(ELV指令)の部品には、除外項目は設けられていますが、均質材料中に鉛元素成分として1000ppm以上含有することが禁止されています。
REACH規則附属書XVIIでは、子供用玩具への0.1%以上フタル酸エステル類を含有することを禁止しています。他方、玩具指令では、REACH規則附属書XVIIでは制限されていない多くの化学物質も含有が制限・禁止されています。詳細については、2009年9月25日付けコラムおよび10月16日付けコラムを参照下さい。
なお、REACH規則の附属書XIVにリストされる認可対象物質については、物質あるいはこれを含む混合物注)のEUへの輸出には認可取得が必要となります。他方、現時点では日本で製造された認可対象物質を0.1%以上含有する成形品については、届出・情報提供の義務があります。しかし、将来その物質のリスクが大きい場合には、それを含有する成形品については制限(禁止)とされる場合があります。
注)CLP規則の発効により、「調剤」は「混合物」に名称が変わっています。